
ユニバーサル、英国最大級の観光・エンターテインメント開発に着手
英国政府の承認を受け、米メディア・通信大手コムキャスト傘下のユニバーサルが進める英国初の大型テーマパークリゾート「ユニバーサル・ユナイテッド・キングダム・リゾート」の建設計画が本格的に動き出している。ベッドフォードシャー州に誕生するこのリゾートは、テーマ別エリアや大型アトラクション、レストラン、ホテルなどを備えた総合エンターテインメント施設として2031年の開業を予定している。政府関係者は、このプロジェクトが雇用創出や地域経済の活性化をもたらし、英国の観光・エンターテインメント産業に大きな成長機会をもたらすと期待している。
建設予定地として確保されている敷地面積は約476エーカー(193ヘクタール)で、将来的には最大700エーカー(283ヘクタール)まで拡張できる権利も取得済みである。これは英国を代表するテーマパークであるアルトン・タワーズや、米国のユニバーサル・オーランド・リゾートの主要エリアに匹敵する規模である。計画では高さ115メートルまでの建築物やアトラクションの設置が認められており、実現すれば英国国内で最も高いテーマパークアトラクションが誕生する可能性もある。

来場者数・交通網・宿泊施設が描く巨大な集客構想
開業当初の年間来場者数は850万人を見込み、将来的には1200万人規模への拡大を想定している。これは現在の英国主要テーマパークや観光施設を上回る水準であり、実現すれば英国最大の観光集客施設となる見通しである。比較すると、英国のテーマパークで最多来場者数を誇るアルトン・タワーズは年間約250万人規模であり、自然史博物館でも年間700万人超である。施設内には500室規模のホテルが整備される予定であり、交通アクセスの強化も進められている。
ミルトン・キーンズ中央駅からは高頻度のシャトルバス運行が計画されているほか、2030年代初頭に開業予定のイースト・ウェスト・レールによって近隣のスチュワートビー駅への列車本数も増加する見込みである。さらに建設中のウィクサムズ新駅を活用することで、ロンドンやイングランド北部とのアクセス向上も期待されている。
2万8000人の雇用と500億ポンドの経済効果
このプロジェクトがもたらす経済効果は極めて大きい。建設期間中には約2万人の雇用が生まれると見込まれており、エンジニアリングや建設技術分野を中心に幅広い職種が必要とされる。開業後も8000人以上の常設雇用が創出される予定で、ホスピタリティ、テクノロジー、クリエイティブ分野など多様な職種が対象となる。すでに4200社以上の企業が事業参画への関心を示しており、3万3000人以上が就業機会への興味を登録している。運営側は全従業員の約80%をベッドフォードシャーおよび周辺地域から採用する方針を示しており、地域人材の育成と雇用創出を重視している。
また、見習い制度やインターンシップなどを通じて次世代人材の育成にも取り組む計画である。投資規模も巨大である。コムキャスト・NBCユニバーサルはリゾート建設に50億ポンドを投じるほか、開業後10年間でさらに10億ポンドを追加投資する予定である。一方、英国政府も総額13億ポンド規模の支援を表明しており、道路整備や鉄道インフラ、地域交通網の改善などに充てられる。政府は、このプロジェクトによって2055年までに英国経済へ約500億ポンドの経済効果がもたらされると試算している。
ただし、一部の地方議員からは懸念の声も上がっている。テーマパーク開発に加え、新鉄道路線や大規模住宅開発が同地域で進行していることから、交通渋滞やインフラ負荷が想定以上に高まる可能性が指摘されている。今後は経済効果と地域社会への影響のバランスをどのように取るかが重要な課題となりそうだ。
ユニバーサル・ユナイテッド・キングダム・リゾートは、単なるテーマパーク開発ではなく、観光、雇用、交通、都市開発を含む英国最大級の地域成長プロジェクトとして位置づけられている。その成否は、英国における次世代の観光産業モデルを占う試金石となるだろう。(出典:BBC、画像:ユニバーサル)
















