ダイドードリンコ、創業以来初のブランド刷新へ 「共創SPAモデル」で商品開発を進化

ダイドードリンコは2026年秋冬商品から、創業以来初となる商品ブランドの全面刷新を実施する。今回の取り組みはパッケージデザインの変更にとどまらず、ブランド戦略そのものを見直す大規模な改革である。
これまでの商品単位で価値を訴求する考え方から脱却し、商品ブランド全体で品質やおいしさ、価格に対する信頼を築く方向へ転換する。同時に、独自の「飲料SPAモデル」を発展させ、生活者や多様なパートナーと価値を共創する「共創SPAモデル」への移行を進める。

商品中心からブランド中心へ 変化する市場環境に対応

ブランド刷新の背景には、消費者と企業の関係性の変化がある。SNSの普及によって生活者の意見がブランド価値に直接影響を与えるようになり、企業が一方的に情報を発信する時代から、双方向のコミュニケーションが求められる時代へ移行している。さらに、原材料価格やエネルギーコストの上昇、人口減少、流通環境の変化など、飲料市場を取り巻く経営環境も大きく変化している。

こうした状況の中で同社は、個々の商品だけではなくブランド全体への信頼を積み重ねることが重要になると判断した。生活者が飲料を選ぶ際に重視する「品質」「おいしさ」「価格」という基本価値を、ブランド全体で一貫して伝えることを目指している。

「飲料SPAモデル」を進化させ、共創型ビジネスへ

ダイドードリンコはこれまで、自社工場を持たないファブレス経営を活用し、商品企画から製造、全国約26万台の自動販売機による販売までを一貫して管理する独自の「飲料SPAモデル」を展開してきた。
製品ごとに最適な製造パートナーと協力できる柔軟性に加え、自販機ネットワークを通じて生活者へ直接商品を届けられることが同社の強みとなっている。

今後は、この仕組みをさらに発展させる。生産者や製造パートナーだけでなく、自治体、コンテンツ企業、さまざまな企業、そして生活者自身も商品づくりに参加する「共創SPAモデル」へ移行する方針だ。これまで個別プロジェクトとして実施してきた共創の取り組みをブランド全体の仕組みとして再構築し、自販機というリアルな接点を活用しながら、新しい商品や体験を継続的に生み出すことを目指す。

新ブランドロゴ・パッケージ・自販機を刷新

新ブランドでは、「安心できる品質と価格」と「おいしさや楽しさ」の両立を提供価値として掲げる。透明性のあるものづくりを通じて、生活者との信頼関係を築くことがブランドコンセプトである。

ブランドロゴは、水やお茶、コーヒーなど幅広い飲料カテゴリーに調和するシンプルなデザインを採用した。
ロゴに配置された「y」と2つの丸には、生活者や協力会社、地域社会とのつながりや相互尊重、共創への思いが込められている。また、「y」の曲線は笑顔をイメージさせ、親しみやすさを表現している。一方で、「ダイドー」の名称やコーポレートカラーは継承し、長年培ってきたブランド資産も活用する。

ブランドスローガンには、「あ、うれしい!を、一緒に。」を採用し、生活者とともに価値を生み出す姿勢を明確に打ち出した。商品パッケージについても刷新を行う。RTD(Ready To Drink)の定番商品では、日常生活に溶け込みやすいシンプルで洗練されたデザインを採用。背景には和紙や素材感を取り入れ、生産者や素材への敬意を表現している。
一方、独自性の高い商品については、新ブランドロゴを活用しながら、それぞれの商品特性を反映した個別デザインを採用する。

さらに、自動販売機もブランドの重要な顧客接点として位置づけ直す。新デザインではロゴの2つの丸を象徴的なモチーフとして取り入れ、シンプルながら温かみや誠実さを感じられる外観とした。
新デザインの自販機は2026年8月以降、東京(渋谷・新宿・豊島・港区周辺)120台、大阪(北区・中央区・西区周辺)70台、名古屋市中村区周辺10台の計200台から順次導入される予定である。

共創による新たなブランド価値の創出へ

今後は「共創SPAモデル」の具体化に向け、生活者が参加する商品開発や企業・自治体との協業をさらに拡大する。
共創プラットフォームの構築を進めながら、多様なパートナーと連携した商品企画やマーケティングを展開し、2026年秋以降には共創から生まれた新商品を順次市場へ投入する計画だ。

同社は今回のブランド刷新を通じて、自動販売機を単なる販売チャネルではなく、ブランド体験を提供する場へと進化させることを目指す。同時に、生活者にとって「安心して選びたくなるブランド」を確立し、自販機と飲料の新たな価値創造を推進していく考えである。(出典:FOODS CHANNEL、画像:ダイドードリンコ)

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