
バンダイナムコ、『ガンダム』を横断型IPへ刷新 ゲームから始まる新たな世界観を構築
バンダイナムコエンターテインメントは、新作ゲーム『ガンダム ローグ・オービット(Rogue Orbit)』を軸に、『ガンダム』シリーズの展開手法を大きく転換する。従来のようにアニメを起点とするのではなく、ゲーム、アニメ、ガンプラ、カードゲームを最初から一つの世界観で設計する新たなプロジェクトを始動させる。
約50年にわたり続いてきた人気シリーズは、新たなIP戦略によって、より一体感のあるクロスメディア展開へと進化しようとしている。
アニメ・ゲーム・ガンプラが同じ世界を共有する「RGプロジェクト」
これまでの『ガンダム』シリーズは、新作アニメで新たなモビルスーツや物語を描き、その後にガンプラやゲームへ展開する流れが一般的だった。
しかし今回発表された「RGプロジェクト」では、この順序が大きく変わる。ゲーム『ガンダム ローグ・オービット』と、新作アニメ『機動戦士ガンダムRG XARX-ZERO』は、共通のタイムラインを持つ一つのユニバースとして企画されており、それぞれ異なる視点から同じ世界を描く。
単なるメディアミックスではなく、ゲーム、アニメ、ガンプラ、カードゲームが最初から相互に連携することを前提として開発される点が特徴である。映画・ドラマ・コミックが一つの世界観を共有するマーベル作品のような構造を、『ガンダム』でも実現しようという試みといえる。

新たな時代設定「A.A.」で描くガンダムの新章
「RGプロジェクト」は、神山健治監督と作家・遠藤トウ氏によって構想された新たな世界観で展開される。
物語は、別銀河から飛来した謎の「自律型星間物体」の発見から始まる。この存在は、人類に重力制御技術、超光速通信、認知物質化という三つの革新的技術をもたらし、人類文明は太陽系全域へと急速に発展する。
しかし繁栄は長く続かなかった。その物体は自己複製する攻撃的な生態系を生み出し、人類文明は崩壊へ向かう。この大災厄は「アポカリプス」と呼ばれ、人類は地球を離れ、新たに「A.A.(After Apocalypse)」という年代を採用する。
ゲーム『ガンダム ローグ・オービット』の舞台はA.A.45年。月や宇宙コロニーで育った世代は、地球で暮らしていた時代を知らず、人類が存亡の危機に直面する新たな戦いが描かれる。

「世界観ファースト」の発想がIP展開を変える
今回のプロジェクトで特徴的なのは、各メディアごとに作品を制作するのではなく、「世界そのもの」を最初に設計している点である。
同じモビルスーツは、アニメでは魅力的な映像表現を実現し、ゲームでは操作する楽しさを備え、ガンプラとしては組み立てたくなるデザインであり、カードゲームでは印象的なビジュアルとして成立しなければならない。
つまり、世界観やデザインは一つの作品のためではなく、複数メディアを横断して機能することが前提となっている。
その構想はすでに商品展開にも反映されており、『HG 1/144 ガンダム・ヘリックス』のガンプラや限定コレクターズエディション、『ガンダムカードゲーム』のプロモーションカードなどがゲーム発表と同時に公開された。
『ガンダム ローグ・オービット』は2027年にPlayStation 5、Xbox Series X|S、PC(Steam)向けに発売予定である。作品そのものの評価は今後に委ねられるが、ゲーム、アニメ、玩具を一体化した「世界観ファースト」のIP戦略は、今後の『ガンダム』ブランドの展開モデルとして注目されそうだ。(出典:CREATIVE BLOQ、画像:バンダイナムコ)

















