フォルクスワーゲン、バーンバッハと新キャンペーン 「人生をもっと詰め込もう」と提案

フォルクスワーゲンは、電気自動車「ID. Buzz」と「Multivan」を題材にした新たなグローバルキャンペーンを開始した。クリエイティブエージェンシーのDDBが手がけた今回のキャンペーンでは、広い車内空間を単なる「荷物を載せるためのスペース」としてではなく、人生のさまざまな可能性を広げるための場所として描いている。

キャンペーンのメッセージは「Fit more life in your life」。家族との旅行、スポーツ用品の運搬、ビーチへの外出、キャンプなど、さまざまなシーンを通して、フォルクスワーゲンの「ピープルムーバー」が持つ柔軟性を訴求する。
主役となるのは、フル電動モデルのID. Buzzと、幅広い用途に対応するMultivanである。どちらも乗員や荷物を柔軟に載せられる空間を特徴としており、ライフスタイルの変化に合わせて使い方を変えられることがキャンペーンの中心的なテーマとなっている。

今回の取り組みは、2024年に始まったフォルクスワーゲンの「Let’s go for a drive」プラットフォームを発展させたものでもある。前年には「Why long wheelbase?」というキャンペーンを展開しており、今回も車両の機能を直接説明するだけではなく、その機能が人々の生活にどのような価値をもたらすのかに焦点を当てている。

「広い空間」ではなく、その先にある体験を描く

キャンペーンでは、2本のヒーローフィルムを制作した。ジャスティン・マクミランが監督を務め、Clockworkを通じて撮影された映像では、ID. BuzzとMultivanそれぞれの特徴を、実際の使用シーンを通じて紹介している。

家族で出かけるための移動手段としてだけではない。スポーツ用品を積んで仲間と出かけたり、海辺で一日を過ごしたり、キャンプ道具を載せて自然の中へ向かったりと、車内のスペースがさまざまなアクティビティにつながっていく様子を描いている。
つまり、キャンペーンが伝えようとしているのは「たくさん積める」という機能そのものではない。より多くのスペースがあれば、人生の中でより多くのことを選択できるという考え方である。
DDBのクリエイティブディレクター、スティーブ・ヘイは、ピープルムーバーを選ぶ理由として、多くの人が「もっとスペースが必要だから」と考えている点に着目する。しかし、本当に重要なのは、手に入れた空間を何のために使うかだという。

さらに、その広い空間がフォルクスワーゲンらしい象徴的なバンのデザインに収められていることも、ブランドにとって重要な要素となっている。実用性だけではなく、フォルクスワーゲンのバンが長年培ってきた独自の存在感もキャンペーンに取り込んでいる。
映像に加えて、デジタル、ソーシャルメディア、大規模なOOH(屋外広告)などを組み合わせて展開することで、車両の多用途性を幅広い生活者に伝えていく。

「できること」を増やすことで、人生の選択肢を広げる

フォルクスワーゲン商用車のマーケティング・プロダクト部門を率いるミシェル・ロウニーは、顧客が求めているのは、特定の用途だけに最適化された車ではなく、さまざまなライフスタイルに対応できる車両だと説明する。

今回のキャンペーンでは、そうしたバンシリーズの柔軟性を、機能説明だけに終わらせず、人間味や親しみやすさを感じられる表現へと落とし込んでいる。その根底にあるのは、「より多くのことにYesと言えるようにする」という発想である。
家族との旅行に出かける。週末にスポーツを楽しむ。思い立って海へ向かう。友人とキャンプをする。車に十分なスペースがあることで、こうした予定を諦めずに済む。

つまり「Fit more life in your life」というメッセージは、車に物を多く積み込むことだけを意味しているのではない。車の中に余裕が生まれることで、人生そのものにも余白と選択肢が生まれるという価値を表現しているのである。
フォルクスワーゲンにとって、ID. BuzzとMultivanは単なる移動手段ではない。人や荷物を運ぶ機能を起点に、旅行、スポーツ、レジャー、家族との時間など、多様な体験を支える存在として位置づけられている。

今回のキャンペーンは、そうした「使い方の自由」を具体的な生活シーンで見せることで、バンの実用性とブランドが持つ親しみやすさを同時に伝える試みとなっている。(出典:branding in asia、画像:フォルクスワーゲン)

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