
ポラロイドが新キャンペーンを展開 「AI時代だからこそアナログ」を訴求
インスタントカメラブランドのポラロイドが、新たなブランドキャンペーン「The Best of Summer is Analog」を発表した。新製品「Go Generation 3」の発売に合わせて展開されるこのキャンペーンは、デジタル化やAIの急速な普及が進む時代に、アナログ体験の価値を改めて問いかける内容となっている。
ポラロイドは近年、「デジタルから少し距離を置こう」「現実世界をもっと楽しもう」といったメッセージを軸にブランドコミュニケーションを展開してきた。今回のキャンペーンは、その姿勢をさらに鮮明に打ち出したものであり、ブランド史上でも特に挑発的な表現を採用している。
シンプルなレイアウトとコピーを中心とした広告は、情報を詰め込むのではなく、最小限のビジュアルと言葉だけで強い印象を残す構成となっている。派手な演出ではなく、アナログ写真ならではの温かみを活かしながら、デジタル社会への問いを投げかける点が特徴である。

世界各地で展開 「今、この瞬間」を楽しむメッセージ
キャンペーンの象徴となるのは、ニューヨーク・コニーアイランドのビーチに設置された大型看板である。
そこには、「データセンターが水を飲み干してしまう前に、海へ飛び込もう」といったメッセージが掲げられ、AIやデータセンターの拡大による社会の変化を皮肉交じりに表現している。
広告デザインには、手書き風のタイポグラフィとポラロイド写真が組み合わされ、挑発的なコピーでありながらも親しみやすい雰囲気を演出している。
キャンペーンはニューヨークだけでなく、ロンドンや韓国でも展開される予定である。ロンドンではキングス・クロス駅の広告スペースを大規模に活用するほか、ベスナル・グリーンやハックニーなど複数のエリアでも掲出される。
広告には、「ブルーライトを浴びるより、太陽の光を浴びよう」「誰にも撮影されていないと思って踊ろう」といったコピーが並び、スクリーン越しではなく現実の体験を楽しむことを呼びかけている。
一方で、「何時間も画面を見続けるには最高の日だ」といった逆説的なメッセージも用いられ、ユーモアを交えながら現代人の生活習慣を見つめ直す構成となっている。

「反デジタル」ではなく「人間らしさ」を守るブランドメッセージ
ポラロイドのクリエイティブディレクターであるパトリシア・ヴァレラ氏は、今回の企画について、「Z世代にインスタントカメラをどう売るか」という発想ではなく、「AI時代にポラロイドが存在する意味とは何か」を問い直したことが出発点だったと説明している。
同氏によれば、AIやデジタル技術が生活の中心となる現在、アナログ写真そのものが特別な存在になりつつあり、「ポラロイドが存在し続けること自体が、一つのメッセージになっている」という。
また、このキャンペーンはデジタル技術そのものを否定するものではないとも強調する。テクノロジーとの共存は不可欠であることを前提としながらも、人と人との触れ合いや、その場でしか得られない体験、偶然性や記憶といった「人間らしさ」を失わないことが重要だという考えを示している。
AIが急速に社会へ浸透する現在、ポラロイドは最新技術への対抗ではなく、人間ならではの感覚やリアルな体験を見つめ直すブランドとして、自らの存在価値を改めて提示している。(出典:CREATIVE BLOQ、画像:ポラロイド)
















