ポッドキャストの進化：パブリッシャーが動画へと拡大、広告市場の変化が加速

ポッドキャストは文化・政治両面で影響力を増しているが、広告市場における成長は鈍化している。WARC Mediaの最新グローバル広告トレンドレポートによると、ポッドキャストパブリッシャーやプラットフォームは、オーディオコンテンツのみに依存せず、動画コンテンツの活用にシフト している。

ポッドキャストの広告市場の現状と成長見通し

広告市場の成長は鈍化傾向：ポッドキャスト広告費は2025年に50億ドルを超えると予測されているが、その成長率は減速している。2024年の13.2%から、2025年には7.9%、2026年には6.5%へと鈍化 する見込みである。

リスナーの増加と若年層の支持：ポッドキャストのリスナー層は拡大を続け、2020年の総視聴者率60.6% から、2025年には66% に達すると予測される。特にZ世代のリスナーが増加 しており、2024年第2四半期の時点で、ラジオのリスナー率を10ポイント上回る68% に達した。

パブリッシャーが動画コンテンツに注力する理由

ポッドキャストのプラットフォームは、広告収益の拡大を目指し、動画コンテンツを強化している。

• YouTube TVアプリでは、2024年に1か月あたり4億時間以上のポッドキャストが視聴 された。
• Spotifyでは、2億5000万人以上のユーザーがビデオポッドキャストをストリーミング した。
• Spotifyの調査によると、オーディオとビデオを組み合わせたキャンペーンは、オーディオのみのキャンペーンと比較してインテントが+55%上昇 した。

米国がポッドキャスト広告市場をリード

米国は世界最大のポッドキャスト広告市場であり、2025年には24億ドルに達する見込み。世界のポッドキャスト広告費の約45.9% を占める。しかし、ポッドキャストが米国の全メディア消費に占める割合は4.5%であるのに対し、広告投資額は全体の1.0%に過ぎない ことが、WARCとAudacyの調査で明らかになっている。（出典：WARC Media 最新グローバル広告トレンドレポート）