ユニクロ、女性の声を発信する文芸誌を創刊 ケイト・ブランシェット氏や東大と連携

ファーストリテイリング傘下のユニクロは、女性の経験や視点をテーマにした文芸誌を2027年秋に創刊すると発表した。俳優のケイト・ブランシェット氏が参画し、東京大学とも連携する。日本での取り組みを起点に、世界各地の大学との協力を通じて、グローバルに展開する構想だ。

プロジェクト名は「stories she tells」。ユニクロ初の文芸誌を発行・配布するほか、女性自身の経験や視点をテーマにしたエッセーを公募し、関連する論文や文学作品なども掲載する計画である。主催者は、文化プログラムや奨学金制度、文芸誌を通じて女性の声を発信し、世界各地の新進作家を支援することを目指すとしている。

発表に合わせ、東京大学でブランシェット氏らが参加するイベントが開催された。学生らを招き、小説の朗読やパネルディスカッションを実施した。ブランシェット氏は2025年8月からユニクロのグローバルブランドアンバサダーを務めている。

ファーストリテイリングのグループ執行役員、セレーナ・ペック氏はイベントで、ユニクロは衣料品を提供する企業である一方、事業の中心には人々の生活をより良くするという考えがあり、その取り組みの一つとして女性の活躍機会の拡大に力を注いできたと説明した。ユニクロはこれまでも、難民映画基金への支援やチャリティーTシャツのプロジェクトなどを実施してきた。今回の文芸誌創刊も、同社が社会課題への取り組みとして位置づける活動の一環である。

女性の執筆活動を支援するプロジェクト

ユニクロは「stories she tells」について、女性が自らの物語を語り、執筆を通じて社会に参加する機会を広げるためのグローバルな取り組みと説明している。同社が掲げる「ライフウェア」の考え方では、衣服を通じて人々が自由と自信を持って生きられるよう支援することを重視している。今回のプロジェクトでは、その考え方を衣服に限らず、言葉や物語による自己表現へと広げるとしている。

主催者の説明によると、プロジェクトには共同創設者として参画するブランシェット氏のほか、プロの作家や、平等の実現に向けて活動する女性たちが参加する予定だ。文化プログラムを通じて女性の経験や考えを共有する機会をつくり、創作活動を後押しすることを目指す。

文芸誌は年刊の印刷版として発行する計画で、女性の地位向上や、より包摂的な社会の構築をテーマとする創作・研究を募集する。エッセーに加えて、関連する学術論文や文学作品も掲載対象となる。主催者は、個人の経験に基づく表現と学術的な知見の双方を取り入れることで、多様な視点を紹介したいとしている。

東京大学との連携を起点に、海外展開も視野

プロジェクトでは、東京大学との連携を通じて学術的な知見を取り入れる。ユニクロは2026年に同大学でローンチイベントを開催し、その後、世界各地の都市へと取り組みを広げる方針を示している。文芸誌の創刊号に向けた投稿募集は日本から開始し、応募条件などの詳細は今後公表する予定だ。

ユニクロは今回の取り組みを、衣料品を通じた生活の向上という理念を文化や教育、表現の領域へ広げる活動として位置づけている。今後は、応募作品の選考方法や奨学金制度の具体的な内容、海外展開の詳細などが明らかになるかが注目される。(出典・写真:ファーストリテイリング、日本経済新聞他)

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