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Campbellsスープ、スープなしのリブランディング

キャンベル・スープが「キャンベル・カンパニー」へとブランド変更を進めていることについて、専門家からは賢明な判断であるとの意見が出ている。パンゲア・マーケティング・エージェンシーのCEOであるブランドン・ロリンズ氏は、「キャンベルはリブランディングにおいて慎重で、これは老舗ブランドが軽いタッチでイメージを更新する好例である」と評価している。

このリブランドは、企業が年齢に関係なく、劇的な変化を避けつつ進化できる方法を示している。ロリンズ氏は、キャンベルのアプローチをツイッターがXへと移行したケースと比較し、劇的すぎない変化の重要性を強調している。

また、ブリガム・ヤング大学のマーケティング教授、ライアン・ホワイト氏は、長い歴史を持つ企業のリブランディングには困難が伴うと述べている。彼は、ブランドのノスタルジーや文化的意義を損なうことで、忠実な顧客を遠ざけるリスクがあると指摘し、リブランディングの難しさを強調している。

キャンベルのように認知度の高いブランドにとって、古い名称に固執することはマイナスとなりかねない。ロリンズ氏は、スープに限定されたイメージに閉じ込められることが会社の成長を妨げる可能性があるとし、「Soup」という単語を社名から削除することが、幅広い製品展開を反映するための前向きな一歩だと評価している。

キャンベルのCEO、マーク・クラウス氏も、同社は「スープ以上の存在」であり、ゴールドフィッシュクラッカーやV8飲料など多様な商品を扱っていると述べている。同社は、今年末の年次株主総会で社名変更の承認を求める予定である。

リブランディングには費用がかかるが、ロリンズ氏は、古い名前に縛られて企業が進化を阻害されることを避けるために必要な投資だと述べている。過去には、2011年にスターバックスが「サイレン」ロゴを導入し、社名や「コーヒー」の文字を削除したことで一部の顧客から批判を受けた一方、2018年にはダンキンが「ドーナツ」を社名から外し、飲料や朝食メニューに重点を置くという変革を行っている。

ロリンズ氏は、長年続く企業が顧客を混乱させないように、細やかなリブランディングを行うべきだと提唱している。一方、ホワイト教授は、簡略化されたブランディングが一般的ではあるものの、必ずしも最善策ではないと指摘。彼は、バーバリーが最近、より装飾的なロゴに戻ったことを成功例として挙げている。

両氏は、ブランドの刷新が顧客ロイヤリティを強化し、市場での競争力を向上させる可能性があると強調しているが、その実施には慎重さが求められると述べている。

(出典:QUARTZ)

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