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ユニリーバ、消費者向けAI活用の成果を発表

ユニリーバは、化粧品分野における診断とパーソナライゼーションのための新しいツールとして、顧客向けAIが機能していると述べている。しかし、これらの技術が他のカテゴリーにまで広がり、効果を発揮するかはまだ不明だ。

ユニリーバのAIが重要な理由
化粧品業界では、パーソナライゼーションや診断ツールは特に目新しいものではなく、機械学習や統計的手法もすでに広く使われている。しかし、ジェネレーティブAIが注目を集める今、その実用性が問われている。投資家やブランドは、これが本当に問題解決につながるのかを見極めようとしている。

一部の研究では、AIの導入が消費者を遠ざける可能性があるとされるが、特定の市場ではAIを活用したツールが購買行動を改善する可能性があるとの証拠もある。とはいえ、変革的な影響はまだ確認されていない。

アジア市場での展開
ユニリーバは特にアジア市場での実験を積極的に行っている。アジア太平洋地域のデジタル化が急速に進んでいることが、ユーザーを新しい技術に対してオープンにしていると考えられている。

現在の取り組み
ビューティ&ウェルネス関連のウェブサイトGlossyによれば、ユニリーバのGo-to-marketテクノロジー担当副社長アーロン・ラジャン氏は、「科学を進化させ、魅力を高め、消費者に対して強力な訴求を行う画期的な没入型ビューティ体験を提供できる」と述べている。

ユニリーバは500以上のAI機能を備え、それらをいくつかのツールに組み込んでいる。例えば、フィリピンとタイでは「BeautyHub PRO」というツールが、自撮り写真とアンケートに基づいて商品を推奨しており、同社によると、このツールを使用した場合の買い物かごの金額は他の情報源を使用した場合よりも39%高いという。また、Doveブランドでは、AIを活用した頭皮と髪の診断ツールを提供しており、アンケートを基にパーソナライズされたプロフィールを作成する。

さらに、インドネシアとフィリピンでは、Pond’s Skin Instituteが昨年末に「診断スキンケアツール」を導入しており、AI技術を使ってセルフィーから肌を分析し、製品を推薦する仕組みだ。

Doveの「セラピスト」は、科学的に承認されたデータベースを検索するためにLLM技術を使用している。これは従来の検索エンジンに代わる手段として用いられており、フリースタイルで回答を生成するためではない。

技術導入の背景
ウォール・ストリート・ジャーナルによれば、企業には生成AIの使用を示す圧力がかかっている。たとえ他のツールや技術の方が効果的であっても、ジェネレーティブAIを使っていることを強調する必要があるという。

金融サービス企業クーパーのCIOであるSridhar Sharma氏は、「GenAIの活用をさらに進めるべきだというプレッシャーを抑える必要がある場合もある」と述べている。(出典:Glossy、Unilever、WARC、WSJ)

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