トヨタ、アジアの音楽クリエイターと「Move Your World Beat」を始動

トヨタ・モーター・アジアは、VIRTUE Asiaと共同で、新たな音楽プロジェクト「Move Your World Beat」を立ち上げた。アジア各国のミュージシャンが参加し、トヨタ車から生まれるさまざまな音を素材として、それぞれの感性でオリジナル楽曲を制作する取り組みである。

プロジェクトには、経験豊富なアーティストから新世代のミュージシャンまで幅広いクリエイターが参加する。音楽を通じて地域ごとの文化や個性を表現しながら、アジアにおける新しい文化的コミュニケーションの形を生み出すことが狙いだ。
「Move Your World Beat」は、まずTikTokを中心としたクリエイタープログラムとして展開される。参加するのは、マレーシアのベル・シソスキ、パキスタンのナターシャ・ヌラーニ、フィリピンのベン&ベンからミゲル・ベンジャミンとパオロ・ベンジャミン、シンガポールのシャイ、タイのヴァレンティナ・プロイ、ベトナムの2pillzである。

トヨタ車の「音」を音楽へと変換

参加アーティストには、トヨタ車から収録したさまざまなサウンドが提供される。クリック音や車内外のハム音、人工的な電子音など、通常は自動車の機能や操作に付随する音を素材として、それぞれのアーティストが自身の音楽スタイルに合わせて再構築する。
つまり、このプロジェクトでは自動車を単なる移動手段として捉えるのではなく、音楽を生み出すための「音の素材」として捉えている。機械から発せられる音をミュージシャンの感性によって変換することで、移動と音楽、テクノロジーと文化をつなげようとしている。

プロジェクトの背景にあるのは、「動くこと」を身体的な移動だけに限定しない考え方である。人やモノが移動するだけでなく、文化や感情、アイデアも国境を越えて動いていく。そうした「動き」の多様な側面を、音楽という形で表現することを目指している。

それぞれの楽曲は、アジア各地の文化的な違いや個性を映し出しながら、一つの大きな作品群を構成する。そのため、トヨタが一方的にブランドメッセージを発信するのではなく、地域のクリエイター自身がブランドの素材を使って新しい表現を生み出す仕組みとなっている。
さらに、6カ国から参加したアーティストが共同で制作する地域横断型のコラボレーション楽曲も予定されている。各国のクリエイターが一つの作品に参加することで、アジアの異なる音楽文化をつなぎ合わせる試みだ。このコラボレーション楽曲は2026年後半にリリースされる予定である。

ブランドと若い世代が「文化を共創」する

「Move Your World Beat」において重要なのが、TikTokを活用した参加型のコミュニケーションである。
VIRTUE Asiaのアカウントディレクター、ジョナサン・タン氏は、音楽クリエイターを巻き込むことで、このプロジェクトを単なる広告キャンペーンではなく、文化への参加とコラボレーションを促すブランドプラットフォームとして位置づけている。

同氏によれば、こうした仕組みによってトヨタはアジアの若い世代との接点を築くだけでなく、地域社会に対しても意味のある形で価値を還元できるという。
従来型の広告のようにブランドから消費者へ一方向にメッセージを届けるのではなく、クリエイターやコミュニティと一緒に文化をつくっていくことが、この取り組みの大きな特徴である。参加者それぞれが表現の主体となることで、プロジェクトそのものが継続的に変化していく文化的なエコシステムを目指している。

トヨタ・モーター・アジアのゼネラルマネージャー、ジャジャ・イシバシ氏は、「Move Your World」の根底にあるのは、アジアのコミュニティへのコミットメントや移動する自由、そしてともに前進することから生まれる期待や喜びだと説明する。
その理念を、今回は音楽という国境を越えたコミュニケーション手段に重ね合わせた。異なる地域や背景を持つクリエイターが音楽を通じてつながり、それぞれの声を一つの作品に重ねることで、新しい表現を生み出そうとしている。

自動車から生まれる音を出発点に、個々のアーティストが異なる音楽を生み出し、最終的には国境を越えた一つの楽曲へとつなげる。「Move Your World Beat」は、移動を軸としてきたトヨタのブランド領域を、音楽とクリエイター、そしてアジアの若い文化へと広げる試みである。(出典:branding in asia、画像:TOYOTA MOVE YOUR WORLD BEAT TAHILAND)

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