
Netflix、ライブ戦略で広告事業を拡大 視聴時間とのバランスが新たな課題に
Netflixは2026年第2四半期決算で、広告事業とライブコンテンツへの投資が着実に成果を上げていることを示した。一方で、会員1人あたりの視聴時間の減少や、シリーズ作品の継続視聴率の低下について投資家やアナリストから指摘を受けており、広告収益の拡大とユーザーエンゲージメントの維持をどう両立させるかが今後の重要なテーマとなっている。
第2四半期の売上高は前年同期比13%増の126億ドルとなり、会員数の増加、料金改定、広告事業の成長が業績を押し上げた。第3四半期も前年同期比12%程度の増収を見込んでいるが、この見通しは市場の期待をやや下回り、決算発表後には株価が下落した。
広告事業は成長軌道 ライブスポーツが存在感を高める
Netflixは、2026年の広告売上高30億ドルという目標の達成に向けて順調に進んでいると説明した。この水準は前年実績を大きく上回るものであり、現在進行中の米国アップフロント交渉でも広告主から高い関心を集めているという。
特に注目されているのがライブコンテンツである。女子ワールドカップやcなどスポーツコンテンツの拡充は、広告主にとって高い到達力を持つ広告枠として評価されており、テレビ業界全体で進むライブスポーツ争奪戦とも歩調を合わせている。
Netflixは広告付きプランについて、現時点では広告なしプランと比較して会員1人あたりの収益に差があることを認めている。しかし、広告配信システムや効果測定機能を強化し、広告商品の種類を充実させることで、この差を縮小できると見込んでいる。
共同CEOのグレッグ・ピーターズ氏は、「広告主が利用しやすい環境を整備することが需要を拡大し、広告枠の販売率向上につながる」と説明しており、広告プラットフォームの進化が今後の収益拡大の原動力になるとの考えを示した。

コンテンツとブランドを融合 一方で視聴時間減少への課題も
広告ビジネスでは、作品そのものとブランドを組み合わせたマーケティングにも力を入れている。
例えば、ウィル・フェレル主演の新作ゴルフドラマ『The Hawk』では、自動車ブランド「ジェネシス」と飲料ブランド「マイクズ・ハード・レモネード」が作品内のストーリー展開と連動したプロモーションを実施しており、従来の広告とは異なる統合型のブランド体験を提供している。
その一方で、アナリストからは視聴者エンゲージメントの低下について質問が相次いだ。会員1人あたりの視聴時間が減少していることに加え、一部ではシリーズ作品の第1シーズンだけを視聴して離脱するユーザーが増えているとの分析も報じられている。
共同CEOのテッド・サランドス氏は、シリーズ作品では第2シーズン以降に視聴者数が減少する傾向は一般的であり、多くの作品は社内予測の範囲内で推移していると説明した。
また、ライブイベントへの投資も視聴時間減少の一因と考えられている。ライブ配信は開催期間が限られるため、通常のシリーズ作品ほど長時間の視聴を生み出しにくい。一方で、新規会員獲得や広告販売、ブランド認知拡大には高い効果を発揮する。
ピーターズ氏は、ライブイベントについて「新規ユーザーの獲得、広告収益の拡大、ファンコミュニティの形成に大きく貢献する一方、純粋な総視聴時間はそれほど増えない」と説明している。
Netflixは現在、ライブスポーツや大型イベントを入口として新規ユーザーを獲得し、オリジナル作品や広告付きサービスへと誘導する戦略を加速させている。今後は、広告収益の拡大を維持しながら、視聴時間やシリーズ作品への継続的な関与をどのように高めていくかが、競争力を左右する重要な課題となりそうである。(出典:MARKETING DIVE、画像:Unsplash)
















