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ポロ・ラルフローレンがブラック・サマー・カルチャーを称える

多くのブランドがインクルーシブな姿勢を後退させる中、ポロ・ラルフローレンはむしろ積極的にその意義を再確認している。同ブランドの最新コレクションは、米国マサチューセッツ州にある歴史的なアフリカ系アメリカ人の避暑地、マーサズ・ヴィニヤードのオーク・ブラフを称えるものである。海沿いのレジャーウェアと、モアハウス大学およびスペルマン大学に代表されるHBCU(Historically Black Colleges and Universities)の伝統的カレッジスタイルを掛け合わせたデザインが特徴となっている。

このカプセルコレクションには、色落ち加工のクルーネック、クラシックなカレッジキャップ、水着、サンダル、ニットウェアなどが含まれており、2022年に発表されたモアハウス大学とスペルマン大学とのコラボレーション・コレクションを基盤としている。

当時のキャンペーンは、ブランドとしての姿勢に共感する声を多く集めたが、現在の政治状況、特にホワイトハウスが「過度に覚醒的(woke)」と見なす企業に対して批判的な姿勢を強める中、このコレクションは、さらに明確な意志をもって展開されている。

ストーリーテリングを軸としたキャンペーン展開

この新しいキャンペーンの中核には、長編ドキュメンタリー『Portraits of the American Dream(アメリカン・ドリームの肖像)』が据えられている。監督はコール・ブラウン氏であり、作品はマーサズ・ヴィニヤード・アフリカン・アメリカン・フィルム・フェスティバルでの上映が予定されている。上映後にはパネルディスカッションも開催され、コミュニティとの対話の場が設けられる予定である。

キャンペーンには、歴史的建造物の保全に取り組む地元非営利団体「Cottagers(コテジャーズ)」──100人以上の黒人女性住宅所有者からなるグループ──をはじめ、地域団体や大学関係者も協力しており、ラルフローレンと全米黒人大学基金(United Negro College Fund)との長年にわたるパートナーシップも引き続き継続されている。

ラルフローレンの担当者は、「このコレクションは、美しい海辺の町を超えて、アメリカンドリームを体現している。オーク・ブラフの独自の歴史と文化、そしてコミュニティの連帯感は、現代における『自由で、飾らず、楽しく、心からくつろげる空間』がいかに重要であるかを示している」と語っている。

過去と現在が交錯する、視覚的ドキュメントとしてのキャンペーン

キャンペーンビジュアルは、写真家ナディン・イェウェレと映像作家アザリア・ビョルヴィグによって撮影された。アーカイブ画像とともに、複数世代にわたるオーク・ブラフの住宅所有者、年間を通じて居住する住民、季節ごとに訪れる訪問者、そしてモアハウス大学およびスペルマン大学の在校生・卒業生の個人的な物語が取り上げられている。

このコレクションは、単なるファッションの提案にとどまらず、黒人文化の継承、地域コミュニティの力、そしてインクルーシブな未来への希望を映し出す、ライフスタイル全体をめぐるステートメントといえる。ブランドとしてのラルフローレンは、単にトレンドを追うのではなく、歴史と価値観に根ざした継続的なコミットメントを打ち出している。(出典:MediaPost、Polo Ralph Lauren)

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