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ブランド再発明のリスクと再活性化の重要性

ブランドのビジュアル・アイデンティティを刷新するプロジェクトを立ち上げる際、多くの企業がゼロから全てを作り直し、新しいロゴやグラフィックスタイルといったブランド資産を導入したくなる。しかしこのようなアプローチは、しばしば大きなリスクを伴う。

Halo社のブランド戦略ディレクターであるポール・ベイリー氏はWARCとのインタビューで、「ブランドを刷新するのではなく再活性化する方が、ブランドの本来の個性を維持しつつ、時代に即した進化を実現できる」と指摘している。

なぜ再活性化が重要なのか

ブランドの再発明は、リスタートとして強力な効果を持つ可能性がある一方で、既存のブランド認知や識別力を損なうリスクもある。とりわけ、消費者にとってブランドの識別が即時的に求められる市場環境では、完全な再構築よりも既存資産の強みを生かした再活性化の方が効果的である。パッケージが棚に並ぶたった数秒の間に消費者の目に止まるか否かが重要であり、認識の積み重ねは競争力に直結するからだ。

ブランドリフレッシュにおけるポイント

ブランドアイデンティティの見直しにおいては、視点と手法を慎重に選ぶ必要がある。まず、ブランド刷新の出発点として十分な調査と理解が不可欠である。自分の好みや感覚がターゲットオーディエンスと一致するとは限らないため、自身の意見ではなく、顧客の視点を基盤とするべきだ。

さらに、変化の大きさが必ずしも成果に比例するわけではない。わずかなデザイン変更であっても、消費者にとっては重要な意味を持ち得る。実際、変更に気づかれないという事実は、ブランド資産の識別性を損なっていない証拠であり、決して悪い結果ではない。

最終的には、新しいビジュアルデザインを導入する前に、消費者と直接テストを行うことが望ましい。消費者がデザインにどう反応するかは、最終的な成功を左右する重要な判断材料となる。

ロゴの進化と識別性の維持

ブランドのロゴについても、完全に作り直すのではなく、既存の形状や印象を維持したまま微調整を加えることで、ブランドの識別性と視認性を保ちながらモダナイズすることが可能である。こうした変化は多くの人に気づかれないかもしれないが、それこそが狙いである。識別力を保ったままアップデートすることが、ブランド進化の最良の形だ。

一部では「高額な予算を投じて、目に見える変化がほとんどない」と批判されることもあるが、識別を維持しながらデザインを刷新することには十分な価値がある。ブランドにとって重要なのは、「変わること」よりも「消費者の頭の中に残り続けること」である。

ブランドの再発明には確かに魅力があるが、既存の資産を軽視した全面的な刷新は、かえってブランド認知の喪失につながる可能性がある。むしろ、ブランドアイデンティティの根幹を保ちつつ、時代に応じて柔軟に調整していく「再活性化」のアプローチが、ブランドの長期的な価値を維持し、高める鍵となる。(出典:WARC)

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