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トランプ政権の関税が「ブランド・アメリカ」を蝕む

米国のソフトパワーが、現政権の行動によって損なわれているという調査結果が報告されている。特に、関税政策が国際的な評判に大きな影響を与えており、米国のイメージに対するネガティブな評価が広がっている。

米国と中国の好感度の変化

Morning Consultが提供した2025年5月の好感度データによると、米国の好感度はマイナス1.5、対して中国はプラス8.8という結果が出ている。2024年1月時点では、米国の好感度は20を超えていたが、中国はマイナスだった。この変化は、米国の国際的な立場が大きく変動していることを示している。特に関税政策が、他国からの評価に多大な影響を与えていることがわかる。

ブランド・アメリカの重要性と影響

マーケティング担当者が「ハロー効果」について語る際、それは通常、強力なブランドが他のブランドに与える好影響を指す。しかし、ハロー効果は逆方向にも働き、ネガティブなブランド評価が他の関連ブランドにも悪影響を及ぼすことがある。米国に対する評価が悪化すると、消費者は米国製品や雇用機会を避ける傾向にあり、米国企業が海外で展開する貿易や投資の機会も減少する恐れがある。

特に関税政策が、世界中で米国へのネガティブな見方を加速させており、結果として米国を訪れる観光客も減少している。これにより、航空会社は路線変更を余儀なくされている。マクマン氏は「米国に対する見方が悪化すると、消費者や企業が米国市場を避けることになり、経済全体に影響が及ぶ」と警告している。

アメリカのブランド再生の難しさ

アメリカが現在のような状況に至ったのは初めてではない。20年前、Anholt Nation Brands Indexを考案したサイモン・アンホルトは、ブランド・アメリカは「岐路に立っている」と指摘していた。その時、彼はアメリカのブランド力を回復させるために「アメリカはブランド本能を再発見し、基本的な原則を守るべきだ」と提案していたが、現在の政権下ではそのようなアプローチは実行される見込みは薄い。

影響を受ける国際的な立場

近年、米国のブランドに対する評価は低下しており、特に中国やロシアとの比較でその差が顕著に現れている。今後、米国が国際的にどのようなブランド戦略を取るかが注目される。トランプ政権の関税政策は、米国のソフトパワーを減退させ、他国に対しての信頼を失わせる要因となっている。(出典:WARC、Morning Consult, Axios, Brand Finance)

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