
THA:Grabがタイで行方不明者リアルタイム捜索ネットワークを構築
東南アジア最大のスーパーアプリ「Grab」は、行方不明者のリアルタイム捜索ネットワークを構築し、テクノロジーとロジスティクスを公益のために賢く活用している。
タイにおける長年の課題である行方不明者の捜索支援のため、グラブ・タイランドは「Grab The Missing」イニシアティブを立ち上げ、YDMタイランドおよびFM91 TrafficProとの協力で、このプロジェクトを推進している。タイでは、4時間に1人が行方不明となっており、過去22年間で17,800人以上が行方不明となっているが、多くのケースは認知されることなく消えていく。
「Grab The Missing」は、Grabの車両を利用し、毎日10万人以上のライダーが利用するリアルタイムデータを活用して、行方不明者の情報をライダーに提供する。指定された捜索エリアに入ったライダーには、行方不明者のプロフィール、写真、識別情報を含むターゲット通知が届く。ライダーが該当者を発見した場合、Grabドライバーアプリを通じてリアルタイムで情報を報告することができ、情報は直ちにFM91 TrafficProと関係当局に転送される。
この取り組みは、オンデマンドプラットフォームが社会的インパクトを生むために活用される画期的な事例となっており、「国内最大の宅配ネットワークが、人命救助のために動員された」という新たな役割を果たしている。
YDMタイは、このキャンペーンのクリエイティブ開発やUXデザイン、システム統合を主導し、報告プロセスを簡便化し、ライダーが通常の業務の中で使いやすい仕組みを提供した。
「Grab The Missing」は、すべての配達を「誰かを家に帰すチャンス」に変えるという、ゲームチェンジャーとなるキャンペーンである。Grabのライダーは、単に食料を届けるだけでなく、希望を届ける存在となる。
2025年3月下旬に開始されたこのイニシアティブは、Grabプラットフォームが大規模な協調的危機対応に動員された初めてのケースであり、ライダーは社会的課題に取り組む広範な取り組みのサービス提供者かつ初動対応者としての役割を担うこととなる。
このプロジェクトは、データドリブンなターゲティング、ユーザーフレンドリーなインターフェイス、大規模なリーチを組み合わせることにより、オンデマンドプラットフォームが有意義な社会的影響を与える方法を示すモデルとなっている。
Grab The Missingの仕組み
- ターゲットアラート – Grabは、Grabドライバーアプリに接続されたプラグインレイヤーを通じて、FM91 TrafficProから行方不明者のデータを統合する。ライダーが指定されたエリアに入ると、詳細なアラートが通知される。
- Eyes on the Street – ライダーは、通常の配達を行いながら行方不明者のプロフィールをチェックし、警戒を続ける。
- インスタントレポート – ライダーが行方不明者を発見した場合、即座にレポートを提出でき、その情報はFM91 TrafficProと当局に直ちに転送され、迅速に対応される。(出典:Grab, Branding in Asia、画像はYDM)