US：グーグル解体の可能性が浮上

今月、グーグルが独占禁止法に違反して独占的地位を享受していると判断されたため、司法省と各州の検事総長は、グーグルの解体を裁判所に求めることを検討していると言われている。

グーグルの体質改善が重要な理由

グーグルは広告インフラの中核を成しており、検索広告ビジネスやブラウザ、モバイルオペレーティングシステムなど、同社を構成する全ての部分がその運営に不可欠である。これらの領域が見直されるとなれば、大きな変革がもたらされるだろう。また、オンライン広告の基盤を根本的に変える可能性のある他の措置が講じられる可能性も考慮すべきだ。

判決の背景

先週の判決において、アミット・メータ判事は、グーグルが独占企業であり、米国反トラスト法に違反していると判断した。この裁判は、グーグルが新しいiPhoneのデフォルト検索エンジンの地位を確保するために、無線通信事業者、ブラウザ開発者、アップルのようなデバイスメーカーに支払っていることを巡って行われたものである。グーグルはこの判決に対し控訴する意向を示している。メータ判事は、司法省とグーグルの双方に対し、9月4日までに救済策を提案するよう求めている。

検討されている救済策

ニューヨーク・タイムズは、内部情報に詳しい3人の情報筋の話を基に、裁判所に提出される可能性のある提案を報じている。以下がその内容である：

• クロームやアンドロイドなど、グーグルの一部を分離すること。
• グーグルのデータをライバル企業が利用できるようにすること。
• アップルとの既定路線を廃止させること。

これらの提案の核心は、一企業が市場の競争を独占する状況を解消することにある。検索エンジンやそれに依存する広告ビジネスには、インターネット全体とそのネットワーク効果を広範囲にカバーする必要があるとされている。長年にわたり市場を支配し、市場集中を強化してきた主な理由は、エンドユーザーに対してサービスが無料で提供されているため、害はないとされてきた。しかし、この考え方は変わりつつあり、競争市場そのものが目的と見なされるようになっている。たとえ、グーグルに真に対抗できる競争相手が現れるまで時間がかかるとしても、どのような救済策が講じられても、グーグルの広告主に対する条件が変わることは避けられないだろう。（出典：ニューヨーク・タイムズ、FT、WSJ）