ハインツ、ワールドカップで「ペナルティ・パケット」展開 サッカー文化を活用したSNSキャンペーンを開始

ハインツは2026年ワールドカップの盛り上がりに合わせ、サッカーの反則を象徴するイエローカードとレッドカードをモチーフにした「Penalty Packets(ペナルティ・パケット)」キャンペーンを開始した。SNSを中心に展開されるこの企画では、調味料不足の料理に“反則”を宣告するというユーモアを取り入れ、ユーザー参加型のコミュニケーションを展開している。

同キャンペーンは、ソーシャル動画、クリエイターコンテンツ、ユーザー生成コンテンツ(UGC)を組み合わせた「ソーシャルファースト」の取り組みであり、ブランドのグローバルプラットフォーム「Irrational Love」の一環として制作された。クリエイティブ開発はクラフト・ハインツの社内エージェンシー「The Kitchen」が担当している。

サッカーの反則をモチーフにした限定パッケージ

キャンペーンの主役となるのは、通常の約2倍の量のケチャップやマスタードを封入した特大サイズの調味料パケットである。パッケージはサッカーで使用されるイエローカードとレッドカードをイメージしたデザインとなっており、偶然にもハインツのマスタードとケチャップの色彩と重なることから、この発想が生まれた。

プロモーション映像では、味付けされていないハンバーガーやホットドッグなどの料理に対し、まるで審判が反則を宣告するように赤や黄色のパケットを掲げ、その後ソースを直接かけて料理を完成させる様子が描かれている。
視聴者には、同様の動画や写真をハッシュタグ「#PenaltyPackets」とともにSNSへ投稿するよう呼び掛けており、ユーザー参加型キャンペーンとして拡散を狙っている。

スポーツマーケティング強化の一環

ハインツは近年、外食市場向け事業「Away From Home」の強化を進める中で、スポーツマーケティングへの投資を積極化している。2026年3月にはNFLと5年間のパートナーシップを締結し、リーグ初となる公式調味料ブランドとなった。今回のワールドカップ施策も、そのスポーツ戦略の延長線上に位置付けられる。

今大会ではレッドカードの提示数が過去最多ペースで推移しており、7月5日時点で13枚に達した。これは2018年大会と2022年大会を合わせた提示枚数を大きく上回る数字であり、「カード」が試合中の大きな話題となっている。このタイミングを捉え、ハインツはサッカー文化と商品を自然に結び付ける企画を展開した。

The Kitchenのエグゼクティブ・クリエイティブ・ディレクターであるサイモン・アウ氏は、「赤と黄色は通常、反則を意味する色だが、それを料理をおいしくするシンボルへと転換した。味気ない料理に“反則”を宣告し、その場でハインツのソースによって解決できる仕組みである」と説明している。

限定販売と“非公式”ならではの話題づくり

ペナルティ・パケットは専用マイクロサイトで期間限定販売される。
価格はハインツの象徴である「57」にちなみ1.57ドルに設定されており、商品にはレッドカード版とイエローカード版が各1袋ずつ入るほか、サッカーの交代選手になぞらえた通常サイズの調味料パックも「サブ」として同梱されている。

ハインツはFIFAの公式スポンサーではないが、大会期間中も巧みに存在感を高めている。
FIFAでは「クリーン・スタジアム」ルールにより、公式スポンサー以外のブランドロゴは会場内で隠される。そのため、ハインツのボトルラベルがテープで覆われた様子がSNSで話題となった。

これを受けてハインツ・カナダは、ロゴが隠れたボトル画像を公開し、自社を「非公式スタジアム・ケチャップ」とユーモラスに紹介。公式スポンサーではない立場を逆手に取り、SNS上で高い話題性を獲得した。
今回のキャンペーンは、大会公式スポンサーでなくても、競技文化やファン心理を巧みに取り入れることで大きな注目を集められることを示す好例となっている。(出典:MARKETING DIVE、画像:ハインツ)

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