スプライト、グローバル刷新でZ世代との文化的接点を再構築
コカ・コーラ傘下の炭酸飲料ブランドスプライトは、新たなグローバルブランドプラットフォーム「It’s That Fresh」を立ち上げ、特にZ世代との結びつきを強化する方針を打ち出した。ビジュアルアイデンティティの刷新やパートナーシップの拡充を通じ、世界規模で一貫したブランド体験を構築する狙いである。
音楽・ストリートカルチャーを軸にした統合戦略
今回のプラットフォームは、音楽、バスケットボール、食、ファッションといったストリートカルチャーの要素を横断的に統合する点に特徴がある。グラミー賞受賞プロデューサーであるマスタードとの協働によって、ブランド独自のサウンドアイデンティティ「Sprite Sound」を開発。ヒップホップとの長年の関係性を再確認する取り組みとなっている。
また、ロサンゼルス発のスケート集団Crenshaw Skate Clubとの提携をはじめ、ストリートコミュニティとの接続を強化。2025年に展開されたスパイシー食品との連動企画「Hurts So Good」の流れも引き継ぎ、食領域との結びつきも継続している。
これらの施策は、有料メディア、屋外広告、デジタル広告、クリエイター主導のSNS展開、小売プロモーションなどを横断し、統合的に展開される。
「文化的信頼性」の再定義とZ世代への接近
スプライトは、若年層にとっての「クールさ」の定義が企業ではなくコミュニティ側に移っている現状を踏まえ、ブランドの役割を再定義している。単なる発信者ではなく、文化の中に寄り添い、そこから生まれる表現を可視化する存在としてのポジションを目指す。
グローバルブランド副社長のオアナ・ヴラドは、「It’s That Fresh」を、既存の価値観に挑み独自性を称えるマインドセットであると位置付ける。ブランドが主導するのではなく、文化の最前線で活動する人々を照らすプラットフォームである点が強調されている。
ビジュアル刷新と商品戦略の拡張
ブランドプラットフォームと並行し、視覚的アイデンティティも刷新された。レモンとライムを象徴する「ライモン」モチーフを復活させ、白のワードマークとグリーン基調のカラーシステムを採用。これらは順次パッケージデザインに反映されていく。
商品面では、「スプライト・チル」および「スプライト+ティー」といった新ラインをグローバルに拡大。「スプライト・チル」は2025年に定番化され、「スプライト+ティー」は飲料ミックストレンドを取り込んだ商品として位置付けられる。
さらに、ライブ体験型施策としてロンドンで「Sprite FreshFest」を開催し、音楽パフォーマンスや限定商品の展開を実施。今後は夏にかけて各国で展開を拡大する計画である。

成長の延長線上にあるブランド再構築
今回の刷新は、スプライトが近年積み重ねてきた成果の延長線上にある。2024年には「Obey Your Thirst」キャンペーンを再始動し、ポップカルチャーへの回帰によって市場での存在感を高めてきた。また、長い空白期間を経てNBA公式ソフトドリンクパートナーの地位を再獲得するなど、スポーツ領域でも影響力を回復している。
「It’s That Fresh」は、こうした成功を土台に、グローバルで一貫したブランド体験と文化的信頼性を再構築するための中核施策である。単なる広告キャンペーンではなく、ブランドと消費者、そして文化をつなぐ長期的なプラットフォームとして機能するかが今後の焦点となる。(出典:MARKETING DIVE、画像:Sprite)
















