
グーグル、バーチャル試着を靴カテゴリへ拡大
グーグルは10月8日に、同社のバーチャル試着(Try On)機能に「靴」を追加したと発表した。最先端のAIで形状や奥行きを理解し、ユーザーの足に履いたときの見え方をリアルにプレビューできるとしている。数週間以内にオーストラリア、カナダ、日本でも提供を開始し、対応地域を広げる計画である。
新機能の内容
ヒールからスニーカーまで幅広い靴を対象に、AIが足元のサイズ感や陰影を推定し、装着イメージを生成する。これにより、従来の静止画像では判断しづらかったフィット感やスタイル適合性を画面上で確認できる。
使い方
グーグルのショッピング掲載商品で「試着」ボタンを選択し、全身写真をアップロードすると、選んだ靴を履いた状態の画像が生成される。生成結果は保存・共有が可能で、同社によれば通常の商品リストよりも試着画像のシェア率が高い傾向が見られるという。
展開地域と時期
新しい靴の試着機能は、今後数週間でオーストラリア、日本、カナダに順次拡大する予定である。これにより、同機能へのアクセスがアジア太平洋・北米の複数市場で広がる見込みだ。
背景と進化
グーグルは2023年にトップスのバーチャル試着から開始し、翌年にはドレスへ対象を拡大。2025年にはAIモードを導入し、ユーザー自身の写真を用いた試着、最適価格の探索、レコメンドのキュレーションなど、購買体験全体を支援する機能を拡充してきた。あわせて、ショッピング体験にもAIを統合し、パーソナライズされたおすすめや助言、フィード生成などの商品発見機能を提供している。
エンゲージメントと効果
同社の観測では、バーチャル試着を経由した商品はエンゲージメントが向上する傾向がある。外部の動向として、Perfect Corp.のAIトレンドレポートでは、バーチャル試着を導入したブランドで転換率が2倍超に伸長した事例が報告され、専門家の約4割が「デジタルと店舗の体験ギャップを埋める理想的な手段」と評価している。
意義と展望
靴カテゴリへの拡大は、サイズ感・合わせやすさの可視化が購買判断を左右しやすい領域での体験価値を高める取り組みである。今後は対応ブランドやスタイルの拡充、より精緻な足型推定や歩行時の見え方の再現など、リアリズムと利便性の両面での進化が期待される。(出典:RETAIL DIVE、画像:Google、iStock)

















