
ギャップCEO「ブランド再活性化の取り組みは順調に進んでいる」
ザ・ギャップのリチャード・ディクソンCEOは、6四半期連続で既存店売上高がプラスとなったことについて「ブランド再活性化が収益成長の牽引役となっている」と述べた。
ブランド再活性化の狙い
ディクソン氏は決算説明会において、「より強いブランド・アイデンティティを築くことに注力しており、それはトレンドに即した商品、文化的な関連性の強化、説得力のあるストーリーテリングによって支えられている」と説明した。この施策は、同社が展開する4ブランドのうち、オールドネイビー、ギャップ、バナナリパブリックの3ブランドの成長を後押ししている。
再活性化は同社が掲げる4つの戦略的優先事項の1つであり、パフォーマンス・マーケティングや短期的施策に過度に依存して衰退していたブランドを立て直すプロセスの中心に位置付けられている。ディクソン氏は「短期ビジョンから長期的なブランド価値へと舵を切り、元来の理念を守りながら消費者により適した存在へと進化させる」ことが目的であると強調した。
実際の取り組み
- クリエイターとの協業:400人のクリエイターと連携し、馬蹄形ジーンズやNAPパーカーといった文化的トレンドに基づく商品を展開。これらはソーシャルファーストのマーケティングで拡散し、バイラル化している。
- メディアミックスの変化:消費者の行動に合わせ、マーケティング手法を見直し、より的確にターゲットへリーチするモデルに移行。
- クリエイティブ資産の改善:過去1年半で広告やブランドメッセージの表現を刷新し、消費者と直接的な対話を促進。
- 効率性の向上:「以前より少ない支出で、より大きな効果を出せている」とディクソン氏は語った。
「消費者との対話を強化し、ブランド表現を磨き上げ、これまでと異なる方法で人々を惹きつけるメディア戦略を実行してきた。その結果、ブランド資産の価値が向上し、収益の改善につながっている」― リチャード・ディクソンCEO (出典:Seeking Alpha、WARC)