
ティファニー、銀座にアジア最大の旗艦店を開業─アートとクラフト、伝統が響き合う新たなジュエリー体験
ティファニーは2025年7月、東京・銀座にアジア最大規模となる新たな旗艦店「ティファニー銀座本店」をオープンした。本店舗は、ニューヨークの伝説的旗艦店「ザ・ランドマーク」からインスピレーションを得ており、アートとクラフト、そして日本文化を融合させたコンテンポラリー・ラグジュアリーの新たなビジョンを提示する。
建築と空間設計─“体験するジュエリー空間”へ
ティファニー銀座本店の建物は、高さ66メートルの現代建築で、建築家・青木淳氏が設計を手がけた。特徴的な波のようなガラスファサードが銀座の街並みに優雅に溶け込み、外観からもブランドの芸術性を感じさせる。
インテリアデザインは、建築界の巨匠ピーター・マリーノによって手がけられており、総面積2,500平方メートル超の空間には、階ごとに異なるテーマが設けられている。ゲストは、イタリアの現代アーティスト、ミケランジェロ・ピストレットのアートワークや、オヨラム・ヴィジュアル・コンポーザーによるイマーシブな映像作品を映し出すデジタル階段など、五感で没入できる体験を楽しむことができる。
伝統と革新が融合するコレクション展示
店内には、ティファニーを代表するコレクション──「ティファニー ロック」「ハードウェア」「T」「ノット」などが展示されている。それらは、金沢の縁付金箔を使用した円形天井や、アーティスト楠本眞理子による歌舞伎から着想を得たインスタレーションとともに、日本の職人技と美意識を背景に輝きを放つ。
また、ハイジュエリーおよび「ジャン・シュランバーゼー by ティファニー」を扱うフロアでは、希少な一点ものが洗練された現代的な空間に展示されており、ブランドのヘリテージと革新性の両立を象徴している。
ティファニー銀座のオープンを記念し、いくつかの限定モデルも発表された。たとえば、一粒のダイヤモンドをあしらったローズゴールドの「ロック バイ ティファニー」ペンダント、ホワイトゴールドのアクアマリン仕様、伝説の「ティファニー ダイヤモンド」からインスピレーションを得た「カラット 128」ウォッチ、さらにアイコニックなモチーフを文字盤に施した「バード オン ア フライング トゥールビヨン」ウォッチなど、希少性と芸術性を兼ね備えたコレクションが揃う。
日本初、「ブルー ボックス カフェ」が併設
ティファニー銀座のもう一つの目玉として、ブランド初の日本店舗となる「ブルー ボックス カフェ」が2025年8月にオープンした。このカフェでは、数々の賞を受賞している日本人シェフ、庄司根付氏による日本料理を中心とした洗練されたメニューが提供される。
店内には、フラワーアーティスト東信氏によるインスタレーションが設置されたテラス席や、特別なひとときを演出するプライベートダイニングルームも用意され、ティファニーの世界観を味覚と視覚の両面から堪能できる空間が整えられている。
ティファニー銀座本店は、単なる小売店舗の枠を超え、ブランドの歴史と美学、そして未来への展望が凝縮された文化的拠点として機能することを目指している。ジュエリー、アート、ガストロノミーの融合により、来訪者に深く印象づける体験型ラグジュアリーを提供する場となっている。(出典:Tiffany, luxury Daily他)