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電通XとTeads、AIを活用したアテンション重視型キャンペーンをアサヒ ドライクリスタルで展開

電通Xは、デジタル広告のアテンション最適化を目的に、グローバル広告プラットフォームであるTeadsと提携し、アサヒ ドライクリスタルの新たなキャンペーンを開始した。今回の取り組みでは、両社が共同開発した予測的アテンション・テクノロジーを活用し、広告視認後数秒以内の認知反応を解析することで、広告効果の最大化を目指している。

このキャンペーンは、電通Xが推進する「アテンション・エコノミー」プロジェクトの一環として位置づけられている。同プロジェクトでは、「アテンション(注目)」を従来のビューアビリティ指標に代わる新たな“通貨”として捉え、広告メディアの価値を測る基準として注目している。これまでの調査では、アテンションはビューアビリティよりもブランド想起を1.4倍高く予測できる指標であることが明らかになっており、広告初期の露出やクリエイティブの魅力が大きな影響を与えることが示されている。

アサヒ ドライクリスタルの今回のキャンペーンでは、広告配信プラットフォーム上でTeadsのAI技術を導入し、視聴者がどのフォーマットや広告配置に対して実際にエンゲージメントを示しているかを精緻に把握する。このデータをもとに、媒体選定やクリエイティブ展開を最適化することで、広告のインプレッションを「質の高いアテンション」へと転換し、消費者のブランド想起および購買検討段階での維持を図ることが狙いである。

電通Xのプランニング・ディレクター、キティ・クワン氏は、「私たちメディアプランナーにとって、データと人間の行動をつなぐことが常に重要なテーマである。予測アテンション技術により、視認性だけでなく、視聴者の実際の関与に基づいたキャンペーン設計が可能になる」と述べている。

また、クリエイティブの訴求力をさらに高めるため、電通Xはニューロンズ社と連携し、TeadsのAI搭載神経科学ツールを導入。このツールにより、広告接触時の脳反応を予測し、より深い消費者インサイトの獲得と、効果的な訴求方法の設計を可能にしている。

加えて、Teads Ad ManagerにはLumen Researchのテクノロジーが統合されており、リアルタイムでプライバシーを保護したアテンションデータの取得が可能となっている。これにより、ブランド側はクッキーレス環境でも、広告のフォーマットや配置、クリエイティブの有効性を評価・改善することができ、今後の広告環境における持続的な最適化が可能となる。

キャンペーンの初期成果として、視聴率は20%増加し、平均再生時間(APM)は13%伸長。いずれもTeadsが定めるアジア太平洋地域のベンチマークを上回る結果となった。この成果は、アテンションに基づいたメディアプランニングの有効性を実証するものといえる。

電通Xは「アテンションは、今日の細分化されたメディア環境において、ブランド構築における最も有効な指標となりつつある。単なる表示回数ではなく、実際にどれだけの関心と関与を得られているかが、キャンペーン成功の鍵を握る」とし、今後もアテンション重視の戦略を推進する構えである。

アサヒ香港のマーケティング責任者、ジェニー・ヨン氏は、「このキャンペーンは、当社が掲げる革新性へのコミットメントを体現している。消費者とより深いつながりを築き、ブランドの価値を再定義する試みに合致しており、当社の長期的ビジョンに沿ったものである」とコメントしている。

本プロジェクトは、AIと神経科学を掛け合わせた最新のアテンション測定技術を駆使し、広告の視認性を超えた“本質的なエンゲージメント”を追求する、次世代型のキャンペーンモデルとして注目に値する。(出典:branding in Asia 画像:dentsu X)

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