
イーロン・マスク、Xを450億ドルでxAIに売却 ― AIとソーシャルメディアの融合を目指す
イーロン・マスクは、自身が所有するソーシャルメディアプラットフォーム「X(旧Twitter)」を、彼が設立した人工知能企業xAIに対して総額450億ドル(うち120億ドルは負債)で売却したと明らかにした。この取引は全株式によるものであり、金曜日にX上でマスク本人が発表した。
マスクは投稿の中で、「この合併によりxAIの企業価値は800億ドル、Xの価値は負債を除くと330億ドルになる」と述べている。また、xAIとXはすでにデータ、AIモデル、計算資源、プラットフォーム、人材の統合に向けた準備を進めているとし、この組み合わせがAIとソーシャルメディアの融合による新たな可能性を生み出すとしている。
「この合併によって、世界を反映するだけでなく、人類の進歩を積極的に加速させるプラットフォームの構築が可能になる」とし、マスクは「xAIおよびXのすべての関係者の献身が、ここまでの進展を支えてくれた」と強調した。
XとxAIの融合、その先にあるものは?
マスクが2022年にTwitterを買収し、「X」へとブランド変更した際には、ソーシャルメディア、動画、メッセージング、決済などをひとつのアプリに統合する“スーパーアプリ構想”を掲げていた。今回の売却がその戦略の一環であるかは明確にされていないものの、XとxAIの関係性の再定義が進んでいることは間違いない。現時点で、マスクが「X」というブランドを今後も維持するのか、また両社の統合がどのように進むのかについては具体的な情報は明かされていない。
これまでのXの運営と反応
マスクはXの運営にあたり、大胆な改革を断行してきた。Twitter買収後には従業員の約80%を解雇し、従来の認証バッジ制度を廃止。加えて、一度停止されたアカウントの再開も進めた。こうした動きにより、広告主の離反が起こったが、一部はその後プラットフォームに戻ってきている。
また、Xでは一時、ヘイトスピーチの急増や極端な内容を含む投稿と広告が並ぶといった事態も発生した。これにより、ブランドイメージへの懸念から離れた広告主もあったが、現在は再び出稿を再開している企業もある。
マスクは、トランプ政権下の政府効率省の職務経験も踏まえ、経営においても無駄を排したコスト削減志向を徹底しているとされる。
GrokとAIの普及戦略
今回の買収の中心にあるのが、マスクのxAIが開発したチャットボット「Grok」である。これまではXまたはGrok専用アプリからしかアクセスできなかったが、現在はドバイ拠点の通信アプリ「Telegram」上でもGrokと対話可能になっている。
この展開は、Grokの普及を拡大し、TelegramにとってもAI分野での競争力を高める新たな機会を提供する可能性がある。xAIによるXの買収は、AI技術の社会実装と、それを支えるプラットフォームの構築を加速させるための戦略的ステップとして位置づけられている。(出典:MediaPost他)