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メイシーズ、ブランドとエンターテイメントの融合へ ― テレビドラマ制作に着手

メイシーズが、新たなマーケティング戦略の一環として台本付きテレビ番組の制作に乗り出す。百貨店業界の歴史を形作った女性たちを描いたノンフィクション作品『When Women Ran Fifth Avenue』のドラマ化権を取得し、制作に向けた準備を進めている。

百貨店の歴史に焦点を当てた新たな挑戦

メイシーズは、ジュリー・サトウ著の『When Women Ran Fifth Avenue: Glamour and Power at the Dawn of American Fashion』のドラマ化に向けて、ショーランナーやキャストの選定を進めている。この作品は、ロード・アンド・テイラーのドロシー・シェーバー、ボンウィット・テラーのホーテンス・オドルム、ヘンリー・ベンデルのジェラルディン・スタッツといった、百貨店業界を先導した女性たちの活躍を描いている。さらに、メイシーズ初の女性重役であるマーガレット・ゲッチェルのストーリーも追加される予定だ。

このプロジェクトを主導するのは、メイシーズの最高マーケティング責任者(CMO)であるシャロン・オッターマン氏。同氏は、「不屈の精神、野心、創造力を持つ女性たちの物語を通じて、ストーリーテリングとブランディングの力を示したい」とコメントしている。

ブランドとエンターテイメントの融合

ブランドのストーリーテリングは、マーケティング戦略において重要性を増している。従来の広告手法では消費者の関心を引きにくくなっている中、企業は自然な形でブランド価値を伝える方法を模索している。メイシーズの今回の取り組みは、こうした流れの中で、単なる広告展開を超えてブランドとエンターテイメントを結びつける試みといえる。

小売業者がテレビ番組や映画に積極的に関与する例は増えており、Chick-fil-Aのアプリに搭載されたオリジナルアニメ番組やゲームコンテンツなどがその代表例だ。メイシーズも、これまでサンクスギビング・デー・パレードなどのイベントを通じてテレビとの関わりを深めてきたが、今回のプロジェクトはさらに一歩進んだ取り組みとなる。

メディア戦略と今後の展望

メイシーズは、長年放映されているサンクスギビング・デー・パレードをはじめ、テレビ視聴者との接点を大切にしてきた。昨年のパレードは3,170万人もの視聴者を記録し、今後もNBCユニバーサルと10年間の放送契約を締結している。今回のドラマ制作も、こうした長期的なメディア戦略の一環といえる。

現在のところ、このドラマがどの放送局やストリーミングサービスで配信されるかは未定だが、メイシーズは「当社のブランドが共有する価値あるストーリーを通じて、エンターテイメント分野での取り組みをさらに推進する」としている。

このプロジェクトの成功が、今後のブランドマーケティングにどのような影響をもたらすか、注目が集まっている。(出典:Macy’s、Marketing Dive他)

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