• ニュース
  • HOME
  • ニュース
  • ニュース機関、参照トラフィック減少に危機感:ブランド信頼に影響も

ニュース機関、参照トラフィック減少に危機感:ブランド信頼に影響も

(画像:ロイター研究所より引用)オックスフォード大学ロイター研究所の調査によると、ニュース機関のリーダーたちは、ソーシャルメディアや検索エンジンを通じた参照トラフィックが減少し、AI生成の要約が主流となる中、ニュースの信頼性を守る課題に直面している。ニュースのないインターネットは、マーケティングにおいて複雑な環境を生み出す可能性がある。

ロイター研究所が326名のデジタルジャーナリズムのリーダーを対象に行った調査では、74%が、AI生成の要約による検索トラフィック減少を懸念していると回答。これに先立ち、ソーシャルメディアからの参照トラフィックもすでに大幅に減少している。

ニュースが持つ価値

ジャーナリズムは、インターネットの変化を反映する「炭鉱のカナリア」とも言える存在だ。新聞やテレビの登場以降、ニュースは安全性と信頼性の象徴としてマーケティングで重要な役割を果たしてきた。

マーケティングの専門家ピーター・フィールド氏による調査では、ニュースメディアでの広告がキャンペーンの収益性や市場シェアの成長に大きく寄与していることが確認されている。信頼できるメディア選択が、ブランド価値を高める重要な要因となっている。

パブリッシャーのAI対応と挑戦

ニュース機関は、AIを脅威としつつも積極的に活用している。

  • AIへの関与
    • 調査対象のパブリッシャーの87%が、AI時代に向けたニュースルームの変革を進めている。
    • テキスト音声変換(75%)、要約(70%)、翻訳(65%)などの技術に重点を置いている。
    • ライセンス収益を期待する声が36%ある一方で、ニュースエコシステム全体に利益をもたらす契約を求める回答者が72%を占める。
  • ソーシャルビデオと新チャネルへの注力
    • パブリッシャーはYouTube(+52)、TikTok(+48)、Instagram(+43)に注力している。
    • 新たな参照チャネルとしてWhatsApp(+39)、LinkedIn(+39)、Bluesky(+38)も活発化している。

多くのジャーナリズム関係者は、業界全体の見通しに関しては41%が懐疑的である一方、自社のパフォーマンスについては56%が楽観的に捉えている。

    • AI技術の台頭により、無料または未検証のニュースソースへの信頼が低下し、質の高いニュースメディアに読者が回帰する可能性がある。
    • トランプ氏の大統領再出馬による政治的混乱などが、ニュース消費を増大させる可能性も見込まれる。

AI技術と参照トラフィックの減少という課題に直面しつつも、ニュース機関は変革を進め、信頼と質の高い報道を武器に、読者との関係を再構築する戦略を模索している。このような動きは、ブランドやマーケティング戦略においても重要な示唆を与えるものといえる。(出典:Reuters Institute, WARC)

最近のお知らせお知らせ一覧