
イケア、テスラの空飛ぶロードスター構想をユーモラスに批評 「安全で手頃な価格」の代替案
イケアが、テスラの空飛ぶスポーツカー構想をユーモアたっぷりに取り上げ、話題を集めている。テスラは先日、ライブ配信イベントで空を飛ぶロードスターのコンセプトモデルを披露した。これに対し、イケア台湾は、自社の商品を使って誰もが手軽に再現できる「安全で手頃な価格」の代替案を提示。高額で実現性にも不透明な未来の乗り物を、身近なおもちゃや日用品で表現することで、テスラの派手なプロモーションを巧みに風刺した。
テスラが発表したのは、「ロードスター・ロケット・エディション」と呼ばれるコンセプトモデルである。公開された映像では、車両がハーフパイプを駆け上がり、キックフリップを決めた後、SpaceXAIのスラスターと圧縮空気を利用して地上へ滑空するという、現実離れした演出が展開された。少なくとも現時点ではコンセプト段階の構想だが、テスラらしい大胆な発表手法が注目を集めている。
ただし、実際の量産車が登場するのは早くても2028年とされ、公道での走行が認められるかどうかも不透明だ。予約は招待制になると報じられており、予約時に50万ドルの頭金が必要だという情報もある。さらに、予約契約には納車が保証されない旨が記載されているとされる。
こうした高額で実現性も未知数の構想に対し、イケアは、もっと身近で手軽な方法があると提案したのである。

おもちゃの車とタオルでつくる「空飛ぶロードスター」
イケアのマーケティングは、時事的な話題を捉えた機転の利いた発信で知られる。最近も、2026年のウィッカー(籐編み)トレンドに素早く反応し、話題を呼んだ。今回のテスラへの反応も、同社らしい遊び心が光るものだ。
イケア台湾が提案したのは、4台セットの「リラボ」シリーズのおもちゃの車と、「ブロクグリム」のバスタオルを組み合わせるというアイデアである。紹介された商品は、おもちゃの車が12.99ドル。高価な専用装備を必要とするテスラの構想とは対照的に、手頃な価格で楽しめる組み合わせとなっている。
イケアはInstagramへの投稿で、テスラ側の投稿に使われた「これが現実さ、ベイビー」という趣旨のフレーズを引用し、そこに「安全で手頃な価格」という言葉を添えた。テスラが未来の技術として大々的にアピールする空飛ぶ車を、誰もが購入できる日用品とおもちゃで置き換えてみせたのである。
もちろん、タオルを空中に浮かせる方法や、おもちゃの車を走行コースに固定する仕組みが用意されているわけではない。元記事も、タオルをどのように浮かせるのか、おもちゃの車にトラック上での安定性を確保する吸引システムが備わっているのかと、冗談交じりに疑問を投げかけている。
それでも、子どもたちの想像力があれば、空飛ぶ車の世界を自分なりに組み立てられるかもしれない。記事では、実現のための別案として、スロットカー用のレーストラックを使うことも提案している。

大胆な構想を身近な商品で笑いに変える
今回の投稿が印象的なのは、単にテスラを批判するのではなく、同社の壮大な未来像をイケアらしい日常的な商品へと置き換えている点にある。高額な予約金や量産時期の不透明さを抱えるコンセプトモデルに対し、イケアは手頃なおもちゃとタオルを並べることで、両者の落差そのものをユーモアに変えた。
テスラは、革新的な製品構想や大胆な演出を通じて注目を集めるマーケティングを得意としている。一方、イケアは、身近な商品と生活者の視点を活用し、話題になっている出来事を自社のブランドらしい表現に変換した。今回のやり取りは、製品の機能や性能を直接競うのではなく、文化的な話題への反応そのものをブランドコミュニケーションに生かした事例といえる。
空飛ぶ車の実現には、技術面や安全性、法規制など、解決すべき課題が数多く残されている。そうした壮大な構想を前に、イケアは「少し想像力を働かせればよいだけ」という軽やかなメッセージを投げかけた。未来のモビリティをめぐる大きな話題を、誰もが手に取れる商品で身近な遊びへと変えた点に、このキャンペーンの巧みさがある。(出典:CREATIVE BLOQ、画像:テスラ、イケア台湾)
















