アンダーアーマー、APACで「Commit」始動 スポーツを超えて献身の価値を描く

アンダーアーマーは、コレンソBBDOと共同で、アジア太平洋地域に向けた新たなブランドプラットフォーム「Commit」を立ち上げた。アジア各国とオーストラリアを対象に展開する今回のキャンペーンでは、スポーツにおける「献身」や「継続する姿勢」に焦点を当て、28人のアスリートを起用。映像、印刷広告、ソーシャルメディア、デジタル屋外広告(DOOH)など、複数のチャネルを横断してブランドメッセージを発信する。

メディア戦略と各市場での展開については、コレンソBBDOがOMD APACと連携して担当する。また、今回のキャンペーンではスポーツ界のアスリートだけでなく、K-POPグループ「BOYNEXTDOOR」も起用。音楽やエンターテインメントの領域にもコミュニケーションを広げることで、スポーツファンだけにとどまらない幅広い層への接点をつくっている。

「Commit」という言葉が示すのは、単に競技で結果を出すための努力ではない。アンダーアーマーは、スポーツの価値は勝敗や最終的な成果だけにあるのではなく、アスリートが何かに本気で向き合うために選択する一つひとつの行動にも宿ると捉えている。
同社の最高マーケティング責任者(CMO)兼APACマネージングディレクターであるサイモン・ペストリッジは、スポーツに真摯に取り組むことが、自分自身への挑戦にとどまらず、継続的な成長を生み出す力になるとの考えを示している。

そのため「Commit」は、競技のフィールドやジムだけを舞台とするブランドメッセージではない。仕事や日常生活など、人がそれぞれの情熱を追いかける場面にも「献身」という価値を広げ、より多くの人が自分自身の可能性を切り開くきっかけを提供することを目指している。

28人のアスリートとBOYNEXTDOORが体現する「献身」

今回のキャンペーンで特徴的なのは、「Commit」という抽象的な価値を、さまざまなバックグラウンドを持つ出演者の姿を通じて具体的に表現している点である。

アンダーアーマーは28人のアスリートを起用し、それぞれが競技に向き合う姿や、日々のトレーニング、努力を重ねる姿勢などを通して、ブランドが考える「Commit」を描いている。競技や立場の異なるアスリートを並べることで、献身という価値が特定のスポーツやトップアスリートだけに限定されるものではないことを示している。

さらに、K-POPグループのBOYNEXTDOORを起用したことで、キャンペーンはスポーツマーケティングの領域を越えている。
アンダーアーマーのクリエイティブ・ディレクター、アダム・ショコラは、BOYNEXTDOORについて、今回のブランドが称賛したい「献身」の姿勢をまさに体現する存在だと説明する。彼らは非常に高いレベルで努力を続けている一方、その活動には純粋な楽しさや誠実さも感じられるという。

これは「Commit」というプラットフォームが、苦しさを伴う努力だけを称賛するものではないことを示している。何かを本気で追求し続けることと、それを楽しむことは両立する。むしろ、自分が心から愛するものに真摯に向き合うからこそ、継続する力が生まれるという考え方である。

スポーツ選手とミュージシャンという異なる領域の人物を同じプラットフォームに登場させることで、アンダーアーマーは「Commit」を競技者だけの価値観から解放しようとしている。フィールドやジムで努力する人だけでなく、音楽、仕事、クリエイティブなど、それぞれの領域で自分の目標に向かって努力する人々にも共通する価値として提示している。

「結果」ではなく、積み重ねる行動をブランド価値に

「Commit」の背景にあるのは、スポーツを結果だけで評価しないというアンダーアーマーのブランド思想である。
勝利や記録、ランキングといった成果はもちろん重要だが、それらが生まれるまでには、日々の練習、失敗、修正、忍耐、そしてもう一度挑戦するという無数の選択がある。今回のプラットフォームは、そうした目に見えにくいプロセスそのものに光を当てる。

この考え方をスポーツの外側へ広げることが、今回のAPACキャンペーンの重要なポイントである。人が情熱を持って取り組む対象は、必ずしも競技だけではない。仕事や創作、音楽、日々の生活においても、何かを継続して磨き上げるには同じような意志と努力が求められる。

アンダーアーマーは「Commit」を通じて、そうした一人ひとりの選択を後押ししようとしている。スポーツを起点としながらも、最終的には「自分が本当に大切だと思うものに、どこまで向き合えるか」という普遍的なテーマへとブランドの領域を広げる試みである。

アジア全域とオーストラリアを横断し、28人のアスリートに加えてBOYNEXTDOORという異分野のアイコンを起用する今回のキャンペーンは、アンダーアーマーにとって単なる商品広告ではなく、ブランドの価値観を再定義するコミュニケーションでもある。「Commit」というシンプルな言葉を軸に、競技であれ音楽であれ仕事であれ、自分が愛するものに本気で向き合う姿勢を称賛する。そうすることでアンダーアーマーは、スポーツブランドという従来のカテゴリーを維持しながら、そのブランドが応援する「人の生き方」そのものへとコミュニケーションの幅を広げようとしている。(出典:branding in asia、画像:コレンソBBDO)

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