
レイズ、約1世紀で最大のブランド再構築:「リアル・ポテト」を核に再定義する
ポテトチップスのリーディングブランド、レイズは天然素材へのこだわりを前面に打ち出すため、ブランドの大規模刷新に踏み切った。米国市場では人工香料と人工着色料を排し、新ロゴと新パッケージを導入する。グローバル・レイズのデザイン統括であるカール・ゲルハーズ氏は、今回の刷新を“原点へのラブレター”と位置づけ、長い歴史の節目にふさわしい再設計であると説明している。
リブランディングの概要
新ブランディングはチップスの源泉であるジャガイモを中心に据える。パッケージではチップスのクローズアップを大きく配し、「本物のポテトを使用」といったメッセージの視認性を高めた。グローバル・レイズのマーケティング担当副社長アレクシス・ポーター氏は、農場で育てられた素朴なジャガイモがレイズの味の根幹であることを視覚言語で伝える狙いだと述べる。
ビジュアル刷新―ロゴの“太陽”と食材由来パレット
ロゴの象徴である太陽モチーフをより力強く、明度を上げた「Lay’s Rays」として再設計した。カラーパレットは食材の色に着想を得て更新し、ピクルスを想起させる緑や香ばしさを感じる赤など、フレーバー連想を促す構成に改めた。
プロダクトの更新―オイル配合の見直し
自然志向を処方にも反映する。2026年からLay’s Bakedはオリーブオイルを使用し、Baked Lay’s Kettle Cooked Reduced Fat Original Sea Saltはアボカドオイルを採用する計画である。原材料の透明性と“ナチュラル”の価値を製品仕様のアップデートで裏づける方針だ。
認識ギャップとオンラインの反応
同社は、レイズが実際に農場で育てられたジャガイモから作られていることを、レイズを楽しむ人の42%が知らないとの調査結果を示した。この数字はネット上で議論を呼び、ソーシャルメディアでは懐疑的な声が相次いだ。Redditでは「パッケージにジャガイモが描かれているのに」といった指摘や、「本当にそんなに多くが知らないのか、調査設計を見たい」とする投稿が見られた。
「リアル・ポテト」を語り直す
今回の再構築は、パッケージと製品処方の両面から「リアル・ポテト」の物語を再提示する試みである。素材起点の価値を明確化し、長年のブランド資産を“自然・本物”という軸で再定義する動きだと言える。(出典・画像:Lays, Euro Web)