「ドン・キホーテ」運営PPIH、オリンピックを買収へ 首都圏店舗の再編と新業態拡大

株式交換で完全子会社化、上場廃止へ

パン・パシフィック・インターナショナルホールディングス(「ドン・キホーテ」運営)は、大手スーパーのOlympicグループを買収する方針を固めた。取得額は約250億円規模と見込まれ、株式交換方式により完全子会社化する計画である。契約は近日中に締結され、7月をめどに実施される見通しだ。
これに伴い、オリンピックは東証スタンダード市場から上場廃止となる予定である。直近の時価総額は約144億円であった。PPIHは買収後、同社が展開する小売以外の事業(動物病院など)を切り離し、事業構造の再編を進める。

「ロビン・フッド」展開で食品強化、ドンキ業態と融合

オリンピックは1962年創業で、首都圏を中心に約120店舗を展開するディスカウント型スーパーである。住宅地や駅近など優れた立地を多く有する点が特徴であり、PPIHはこの店舗網を活用して新業態への転換を進める。
具体的には、約60店舗を食品主体の新ブランド「ロビン・フッド」へ転換する計画である。日用品や化粧品といったドン・キホーテの強みに加え、店内調理による総菜や生鮮食品(野菜・肉・魚)を充実させることで、食品スーパー機能を強化する。
さらに、大型店舗は生鮮を扱う「MEGAドン・キホーテ」への転換を進めるほか、一部店舗は既存ブランドを維持しつつ、品ぞろえや価格戦略、売り場構成の刷新を図る。PPIHは2035年6月期までに「ロビン・フッド」を200〜300店舗へ拡大し、売上高6000億円規模の事業へ育成する方針である。

小売業界の再編加速、勝敗を分ける構造変化

物価上昇や人手不足により、小売業界の収益環境は厳しさを増している。デジタル投資による生産性向上でコスト増を吸収できる企業と、対応が遅れる企業との格差が拡大している。
PPIHはこれまでにも総合スーパーの再生を通じて成長してきた。2007年に長崎屋、2019年にユニーを買収し、生鮮や総菜のノウハウ、調達網を取り込むことで事業を拡大している。現在は2035年6月期に売上高4兆2000億円、営業利益3300億円という成長目標を掲げている。
一方、オリンピックは競争激化とコスト増の影響を受け、業績が低迷している。売上高はピーク時から大きく減少し、足元では赤字が続く見通しである。
こうした状況の中、日本のスーパー業界では再編の動きが加速している。例えば、トライアルホールディングスによる西友の買収や、ブルーゾーンホールディングスによる同業他社の取得など、M&Aを通じた競争力強化が進んでいる。地域密着型の中堅スーパーが多い日本市場においても、今後は再編の波が一層広がる可能性が高い。(出典:日本経済新聞)

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