
メタ、ブランド広告主向けソリューションの最新スイートでAIへの注力を強化
メタは毎年恒例のブランド・ビルディング・サミットで、広告主が文化的な会話により容易に参入できる新機能を発表した。今回のアップデートは人工知能(AI)の活用を軸に、ブランド広告の効率性を高める狙いがある。
AIで最適化された広告配置
新機能の目玉は、リール広告におけるトレンド枠の拡大である。AIが最も文化的に関連性の高い動画コンテンツを選び、その近くにブランドの広告を配置できる仕組みだ。テストでは、リールのトレンド広告はYouTubeセレクトやTikTokパルスを上回る20%の認知度向上を実現した。JCPenneyやSharkNinjaといったブランドはすでにこの機能を活用し、認知度やリーチの大幅な改善を確認している。
Threadsへの広告拡張
急成長を続けるThreadsにも新たな広告フォーマットが追加された。単一画像や動画広告(4:5比率)に加え、カルーセル広告やカタログ広告のテストも進行中である。ブランドはInstagramアカウントを通じてThreads広告を出稿できるため、プラットフォームをまたいだ展開が容易になった。Threadsはすでに月間アクティブユーザーが4億人を突破しており、広告機能拡充は広告主にとって魅力的な選択肢となる。
バリュールールとランディング最適化
さらに、広告マネージャー上で「バリュールール」を設定できる機能が強化された。これによりAIが特定のオーディエンスに広告配信を集中させられる。従来は販売やアプリキャンペーンに限定されていたが、認知度やエンゲージメントを目的とするキャンペーンにも適用範囲が広がった。テストでは、バリュールールを適用した場合、価値の高いコンバージョン獲得数が2倍になった。
また、Meta Pixelを利用できない広告主向けに、ランディングページビューの最適化が強化された。広告をクリックして実際に目的地サイトを読み込む可能性が高い層へ広告を届ける仕組みで、これにより直帰率の低下や質の高いトラフィック増加が確認されている。
これらの強化は、Metaが第2四半期に前年同期比22%増の475億2000万ドルという売上を記録した状況下で行われている。特にオンラインコマース領域での広告収益の伸長が顕著で、その多くがAIを活用したキャンペーンによるものであった。(出典:Marketing Dive, Media Post他)