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テイラー・スウィフトの婚約にブランドが殺到 ― 成功と失敗の分かれ目

ポップ界のスター、テイラー・スウィフトとアメフト選手トラヴィス・ケルスが正式に婚約を発表した。2人が婚約写真をSNSに投稿すると、瞬く間に史上最多級のリポスト数を記録し、ネットは祝福ムード一色となった。しかし同時に、数多くのブランドがこの話題に便乗しようと動き出し、結果として明暗が分かれた。

ソーシャルメディア担当者の“瞬発力”

婚約発表からわずか数分で、ピルズベリーやオリポップ、スターバックスといったブランドがSNSに反応した。レゴは2人を模したカスタムミニフィグを公開し「史上最高のラブストーリー」と表現。ウェンディーズは「GTA6より先にトラヴィス・スウィフトを手に入れたとは」と皮肉混じりの投稿で注目を集めた。ピクサーも『インクレディブル』の夫婦キャラクターを引用し、上品な祝福を演出した。

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大量投稿が生む“既視感”

一方で、多くのブランドが似たようなネタを展開したため、次第に鮮度が失われた。チポトレは「英語教師」と「体育教師」と書かれたブリトーボウルを紹介し、オールドネイビーは婚約写真の衣装を自社製品で再現。各種ソーダブランドは画像に自社商品を合成するなど、パターン化した投稿があふれた。結果として、多くは“薄まったジョーク”に終わった。

中には「やりすぎ」と受け止められたケースもある。アンおばさんの「フラワーガールにしてくれる?」という投稿や、バッファロー・ワイルド・ウィングスの「結婚式のケータリングは任せて」というツイートは、ユーモアよりも“場違いな親戚”のように映り、逆効果となった。

成功の要因 ― ブランドの個性を生かす

対照的に、成功例には共通点があった。それはブランド本来の個性や文脈に沿った投稿であることだ。クリスピークリームは「社員が婚約ニュースで仕事に集中できない」という架空の社内メモを公開し、実際に無料ドーナツを提供する施策でファンの共感を獲得。スターバックスは「婚約発表の影に隠れたパンプキンスパイスラテ」の立場を自虐的にネタにし、軽妙さで支持を集めた。

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学ぶべき教訓

今回の事例から学べるのは「反応」と「対応」の違いだ。多くのブランドはアルゴリズムに乗ろうと即席で投稿したが、印象に残ったのは文化的瞬間の意味を理解し、自社のユニークな視点を加えたものだった。ブランドにとって重要なのは「ここでしか言えないこと」を発信し、場を奪うのではなく盛り上げる姿勢を示すことである。(出典:Creative Bloq)

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