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My BMWアプリ、ドライバー個人のCO₂排出量を初めて可視化──車両のライフサイクル全体を反映した環境インサイトを提供

BMWグループは、My BMWアプリおよびMINIアプリの「My Trips」機能を拡張し、個々のドライバーが自身のカーボンフットプリントを確認できる新たな機能を追加した。これにより、ユーザーは自身の運転行動と車両の環境負荷を、これまでにない形で把握できるようになる。

この新機能は、車両の使用時および製造時に発生するCO₂排出量を統合的に評価するもので、BMWグループが掲げるテクノロジー中立的アプローチに基づいて設計されている。対象となるのは、内燃機関(ICE)モデル、プラグインハイブリッド車(PHEV)、およびバッテリー式電気自動車(BEV)といった多様な駆動方式を備えた一部の欧州市場向けモデルである。

BMWによると、「My Trips」機能は同アプリで最も利用頻度が高く、これにカーボンフットプリントの可視化を統合することで、持続可能性に関する情報への直感的かつアクセスしやすい導線を提供することを目指している。

パーソナル・フットプリントの算出方法:二つの視点からのCO₂評価

この機能は、以下の二つの観点から、車両のライフサイクルにおけるCO₂排出量を算出している。

  1. 使用時の排出量
    「My Trips」では、運転された走行ルートと消費エネルギーを基にCO₂排出量を推計している。燃料車の場合は消費した燃料量を元に、電気自動車の場合は国内の平均的エネルギーミックスに基づいた排出量が提示される。また、再生可能エネルギーを用いた場合の比較データも併せて表示される。排出係数には国際エネルギー機関(IEA)のデータが用いられている。
  2. 製造時の排出量
    原材料の加工、部品調達、輸送、組立といった生産プロセスで生じる排出量も含まれる。BMWグループは、すでに多くのモデルについて「ビークル・フットプリント・レポート」を公開しており、これらはISOに準拠したライフサイクル・アセスメントに基づき、テュフ ラインランドによって認証を受けている。対象モデルの報告書はBMW公式ウェブサイトからもダウンロード可能である。

電動モビリティへの移行をサポートするシミュレーション機能

また、BMWグループは2023年夏にアプリに導入したEVシミュレーション機能を通じて、内燃エンジン搭載車のオーナーが、電気自動車(EV)への移行適性を評価できる環境も整備している。

具体的には、ユーザーが自車両で少なくとも200回、合計2,000km以上を走行すると、アプリは走行データを基に選択されたEVモデルの1回あたりの充電で走行可能な距離を試算。さらに、頻繁に訪れる目的地周辺にある充電ステーションの情報も併せて表示される。この機能はすでに2025年5月時点で10万人以上のユーザーによって利用されている。

グローバル展開と利用実績

My BMWアプリおよびMINIアプリは、全世界で1,400万人以上のユーザーを有しており、「My Trips」機能は90カ国以上で展開されている。そのうち、約190万人がこの機能を積極的に活用している。なお、新たに導入されたCO₂可視化機能は、カーボンフットプリント認証(テュフ)を取得済みの車両に限って利用が可能である。

BMWグループは、こうした機能拡張を通じて、ドライバーに環境への影響を意識させるとともに、電動モビリティへのスムーズな移行を促すことを目的としている。アプリを通じて個人レベルの行動変容を支援するという戦略は、同社のサステナビリティ戦略全体とも整合している。今後もこうしたデジタルツールを用いたエンゲージメント施策の進化が期待される。(出典:BMW, Luxury Daily他)

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