(画像クレジット:Bose/Collins)ボーズは、これまでの革新の伝統を引き継ぎつつ、新たなブランド・アイデンティティを発表した。オーディオ・エンジニアリングにおける豊かな歴史を基盤とし、時代を超えるエレガンスとブランドの躍動的なスピリットを兼ね備えたデザインに刷新された。
リブランドにおいて、伝統と現代性の絶妙なバランスを保つことは容易ではないが、ボーズはエネルギッシュな新しいカラーパレット、洗練されたタイポグラフィ、そして権威あるブランドボイスを取り入れることで、そのデザイン遺産に洗練された敬意を表し、革新の未来を力強く投影するものとなっている。
ブランドコンサルタント会社Collinsが手掛けた今回のリブランドは、音というシンプルな要素を中心に設計された。エリートオーディオ機器を生み出してきたボーズの「サウンド・イズ・パワー」というブランドメッセージは、「没入型オーディオ」を強調する価値観と共鳴し、新しいブランドの方向性を明確にしている。Collins社は「アイデンティティを増幅し、人々を没入型サウンドの独自の世界へと誘う力強い宣言を目指した」と述べている。
リブランドは現代的な要素を取り入れつつも、オリジナルのワードマークには大きな変更を加えず、一貫したブランドのアイデンティティを保っている。1960年代に作成されたロゴは、現代でも時代を超えた魅力を持っており、「B」の根元や「E」の上部などにわずかなデザインの微調整が施されたのみである。
新しい書体は、オリジナルの手描きロゴのイタリック体からインスピレーションを得て、Tekio社と共同で開発され、ブランドの柔軟性とダイナミズムを強化している。また、拡張されたカラーパレットは音楽のダイナミズムに基づき、8つの主要な半音階と一致する色合いが特徴だ。さらに、動きを重視したモーショングラフィックが、音楽の持つリズムや流れを視覚的に表現し、ブランドに現代的な流動性を与えている。
このリブランドは、権威と現代性が見事に融合したもので、伝統的なブランドが新世代に向けて魅力的に刷新された好例である。Kleenexのリブランドにも見られたように、ブランドのリフレッシュはアイデンティティを置き換えるのではなく、むしろその価値を強化するシンプルかつ効果的な進化であるといえる。(出典:creativebloq)