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MESI:有効性を実践するための新しい枠組み(IPA)

マーケティングにおける測定は、単にデータを収集するだけではなく、そのプロセスから何を学び、共有し、行動に移すかが重要である。IPAとMelt Collectiveによる新しいレポート「Making Effectiveness Work」は、モデル、実験、シミュレーション、実施(MESI)アプローチを用いて、効果的な測定を実現する方法を提案している。

学習文化の重要性

今日の測定技術は非常に高度化しているが、それでもなお、すべての課題に対応できる万能のアプローチは存在しない。マーケティング戦略やキャンペーンにおいてシグナルを解釈し、適切な行動を選択できる能力が重要である。このため、レポートでは学習文化が、さまざまな技術やデータソースをつなぐための必須ツールであるとしている。マーケティング測定は技術的であるため複雑に見えるが、メルボルン・ビジネススクールのニコ・ノイマン助教授は「アナリティクス・プロジェクトの成功は、組織の考え方と文化が鍵となる」と述べている。

学習文化とは?

IPAのレポートによると、学習文化とは「データや分析に対して楽観的でありながら、盲点を管理することを重視する文化」である。エビデンスに基づく意思決定を促進し、組織が「知っているつもり」の偏見を克服するための仕組みを持つことが重要である。WARCの研究でも、効果的なマーケティング文化が組織の成功に寄与することが示されている。

MESIアプローチ:因果関係の探求

モデル、実験、シミュレーション、実施のフレームワーク(MESI)は、日常の戦術から長期戦略まで、意思決定に適用できる一連の因果関係のステップを提供する。

  • モデルから始める:MMM(マーケティングミックスモデリング)や消費者モデリングを用いて、マーケティング効果をマッピングし、どこに改善を加えるべきかを見極める。
  • 実験で学ぶ:変化を検証するために実験を計画し、因果関係を見つけることが重要。実験の規模や効果を予測するためにモデルを使用する。
  • シミュレーションを行う:実験結果を元に計画やシミュレーションを行い、新しい戦略をシミュレーションツールに組み込む。
  • 結果を実施し、規模を拡大する:実験から得た知見を活用し、効果を検証し、規模を拡大する。

MESIのアプローチは、測定から実施までのプロセスにおいて因果関係を探求することで、マーケティング効果をより正確に捉えることを目指している。これにより、マーケティングの有効性を向上させるための「因果関係のはしご」を構築する。

学習課題

多くのマーケターにとって、解決策は特定のテクニックに依存するのではなく、アクティブラーニングのプロセスと組織文化に焦点を当てることが重要であると、Melt Collectiveのシメオン・ダックワース氏は指摘している。ラーニングアジェンダは、マーケティング計画を支えるために、知識のギャップを埋めるための構造化された調査プログラムとされている。IPAの効果性担当ディレクターであるローレンス・グリーン氏は、「マーケティングミックスモデリング、実験、アトリビューションの技術を活用して、マーケティング担当者が効果性を高める手助けをすることができる」と述べている。(出典:IPA)

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