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US:マクドナルドの復活を導いたマーケター、ラリー・ライト氏死去

ブランディングの専門家であるラリー・ライト氏は、低迷していたマクドナルドを再び顧客と売上の面で復活させた。「I’m lovin’ it」キャンペーンを2003年に世界的に展開し、その成功により、彼はマクドナルドの復活を象徴する存在となった。彼は2002年にマクドナルドのグローバル最高マーケティング責任者(CMO)に就任し、広告担当役員として20年以上にわたるブランディングの経験を持つコンサルタントであった。彼は6月24日にフロリダ州ボカラトンで死去し、享年83歳であった。

マクドナルド再建の取り組み

2000年代初頭、マクドナルドは若い消費者の支持を失い、収益が落ち込み、株価も下落していた。広告も魅力を失っていた。ライト氏はこの状況に対して、「マスメディアを通じた大量メッセージの発信が効果的でない」と認識し、大企業ブランドを再生するための新しいアプローチを模索した。彼は消費者に何を考えるべきかを押し付けるのではなく、消費者の声に耳を傾ける広告を求めた。

ライト氏は、10か国の主要都市の広告代理店14社に、国境を越えて展開されるキャンペーンの制作を依頼し、4か月のコンペティションの結果、ドイツのDDBワールドワイド傘下のヘイ&パートナーが「I’m lovin’ it」というキャッチフレーズで勝利した。このスローガンは、マクドナルドが顧客に愛される理由を再認識させ、その食品が顧客の生活にどれだけフィットしているかを思い出させることを目的としたグローバルマーケティング計画の一部となった。

キャンペーンの展開と効果

2003年9月、ライト氏は「I’m lovin’ it」キャンペーンを開始し、世界中の広告代理店がテーマに沿ったコマーシャルを制作し、100カ国以上で放映された。米国では、ジャスティン・ティンバーレイクがティーンエイジャーたちとともにCMに出演し、別バージョンの「I’m Lovin’ It」も録音された。その他の国々でも有名スターが同様の役割を担い、プロスケートボーダーのトニー・ホークも起用された。

このキャンペーンにより、マクドナルドの売り上げは回復し、2004年の最初の3か月間には前年同時期と比較して1日あたり230万人の顧客増を記録した。ウォールストリートジャーナル紙は「I’m lovin’ it」を2003年のトップ広告キャンペーンのひとつに挙げた。

ライト氏の評価と影響

ライト氏は2005年にマクドナルドを退社し、アークチュア社に戻った。その後、IHGホテルズ&リゾーツのチーフブランドオフィサーとしても活躍し、2014年までその職に就いていた。彼はキッドン氏とともに4冊の共著を執筆し、その中には2009年に出版された『ブランド再生の6つのルール』も含まれている。ライト氏は、ブランディングや企業戦略について幅広く語っており、「I’m lovin’ it」を使い続けるマクドナルドの戦略についても述べている。マクドナルドの改革には、サラダメニューの追加や「特大サイズ」の廃止、チャリティ団体への寄付を目的とした「世界こどもの日」の創設が含まれていた。 (出典:Adage, NY TIMES他)

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