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ユニリーバとクリエイター主導の広告の未来:ブランドとクリエイティブの新しいアプローチ

2025年のカンヌライオンズにおいて、ユニリーバをはじめとする大手ブランドが、クリエイター主導のマーケティング戦略へのシフトを加速させていることが明らかになった。しかし、広告における基本的な法則や効果的な手法は依然として重要であり、消費者との深い関わりを持つことがブランド成功の鍵である。

クリエイター主導の広告の効果

ユニリーバのような企業がクリエイター主導の広告にシフトする中で、消費者とのつながりを深めるためには、広告のメッセージがいかに効果的に伝わるかが重要である。PR会社であるエデルマンのアナリスト、アナスタシア・レン氏は、2024年から2025年にかけて、Facebook、Instagram、TikTokなどのプラットフォームで実施された約10万件のクリエイター広告を分析した。その結果、以下のような重要な知見が得られた。

  • ブランド認知度の向上
    クリエイター主導の広告の53%は、最初の3秒間でブランドに言及していなかった。これは、広告の冒頭にブランド名やメッセージを出さなければ、消費者の注意を引くのが難しいことを示唆している。
  • 視聴完了率の向上
    クリエイターの広告において、最初の3秒でブランドが表示されると、視聴完了率が16%向上し、視聴単価が13%低くなる効果が見られた。
  • セーフゾーンと視聴完了
    広告が意図された通りにプラットフォーム全体で表示される「セーフゾーン」を遵守している広告は、視聴完了率に+19.5%の影響を与えることがわかった。これは、広告の表示位置や形式が効果に大きな影響を与えることを示している。
  • クリエイターのインパクト
    クリエイターが自分たちのストーリーを語り、消費者に共感を与える広告は、ブランドのメッセージを効果的に広めることができる。実際、デフォルトでサウンドをオンにすると、視聴完了率が26%向上するというデータもある。

ユニリーバのクリエイターとのパートナーシップ

ユニリーバの食品部門デジタル・メディア・Eコマース担当副社長アフケ・ファン・デ・クラショルストは、クリエイターとブランドの関係について語り、クリエイターがどのようにブランドのストーリーを伝え、消費者との接点を作り出す重要な役割を担っていることを強調した。彼によると、インフルエンサーやクリエイターは、ブランドのストーリーを適切に表現し、消費者との橋渡しをする役目を果たしている。

ユニリーバは、フォロワーの数よりも、インフルエンサーやクリエイターがブランドやメッセージにどれだけフィットしているかを重視しており、この考えに基づいてマーケティング戦略を展開している。

広告戦略としてのクリエイティブコンテンツ

アナスタシア・レン氏は、クリエイティブコンテンツがブランド戦略の重要な要素であるとし、単なる広告ではなく、消費者にとって意味のある、共感を呼び起こすコンテンツが求められると述べている。広告は「戦略」ではなく「戦術」であり、その効果を最大化するためには、ブランドが創造的なコンテンツを通じて消費者に対してインパクトを与える必要があると強調した。

ユニリーバは、クリエイター主導の広告を推進することで、ブランドと消費者の関係を深め、共感を得ることを目指している。しかし、効果的な広告戦略には、メッセージの一貫性、視覚的なインパクト、そして消費者の感情に訴える要素が必要であり、単にインフルエンサーを起用するだけではなく、ブランドのストーリーをどのように伝えるかが成功のカギとなる。消費者にとって有意義な体験を提供し、その期待に応えることが、今後のマーケティングにおける重要なポイントである。。(出典:WARC、The Cannes Lions 2025 Festival of Creativity)

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