
UK:WHSmith、事業売却により店舗ブランドが姿を消す
英国の老舗小売業者WHSmithは、同国のハイストリート事業をHobbycraftの親会社であるModella Capitalに売却することで正式に合意した。今回の売却には、約480の店舗と5,000人の従業員が含まれており、230年続いたWHSmithの店舗ブランドはハイストリートから姿を消すことになる。
売却対象には、空港や駅構内、病院内にあるWHSmithの店舗は含まれておらず、それらは引き続きWHSmithグループの傘下に残る。これらの「トラベル部門」は、現在同社の収益と利益の大半を占めており、世界32カ国に1,200以上の店舗を展開するまでに成長している。
WHSmithのハイストリート店舗は、今後は「TGJones」という新たなブランド名で運営される予定であり、Modella Capitalの管理下で新たな体制へと移行する。
戦略的転換の意義とCEOのコメント
グループ最高経営責任者のカール・カウリング氏は、「今回の取引は、WHSmithが旅行小売業に特化する企業として明確な方向性を打ち出す重要な節目である」と述べている。また、「ハイストリート事業は、収益性が高く、キャッシュを生み出す健全なビジネスであるが、同社の国際的なトラベル事業の急速な成長を踏まえると、今が集中と選択の好機である」と説明している。
同氏はさらに、「新たなオーナーのもとで、ハイストリートビジネスがさらに発展することを願っており、WHSmithの経営陣は今後、トラベルビジネスに専念する」と付け加えた。
取引の概要とModella Capitalの動き
今回の売却取引は、無借金・現金ベースで7,600万ポンド(約9,080万ユーロ)の企業価値に相当する。買収先のModella Capitalは、小売業への投資に特化しており、これまでにもPaperchaseやTie Rackといった小売チェーンへの出資実績がある。さらに、2023年8月には美術・工芸用品を扱う小売業者Hobbycraftを非公開の条件で買収するなど、積極的なポートフォリオ拡大を進めている。
WHSmithが今回の売却プロセスを開始したのは昨年末のことであり、複数の候補が関心を示していた時期が続いていた。プライベート・エクイティ・グループのHilcoやAlteriも買収に関心を寄せていたとされ、今回の決定はそうした不透明な期間を経ての正式な合意となる。
このブランド再構築は、今後のWHSmithのビジネスモデルを明確にする重要なステップであり、世界的な旅行小売業への特化と集中により、さらなる成長を目指す構えである。