CN：高級品市場の変動、中国で打撃を受ける

中国の高級品市場は、一部のブランドが値上げを続ける一方で、他のブランドは半額まで値引きしており、大きな変動が見られる。

現状

・ルイ・ヴィトンやエルメスといったブランドは、2024年に特定のハンドバッグの価格を10～20％引き上げた（Jing Daily報）。
・一方で、ヴェルサーチとバーバリーは2024年に商品の平均値下げ率が50％に達している（フィナンシャル・タイムズ報）。このデータはインテリジェンス・プラットフォームLuxurynsightによるもの。
・eコマースプラットフォームがトラフィック促進のために価格を引き下げたことが一因とされる。高級ブランドは流通をしっかりと管理しているため、高い在庫や厳しい価格設定の影響を受けにくい。
・バーバリーは、最近の6月期に中国での売上高が21％減少したが、日本での売上高は6％増加した。

背景

・中国経済の急速な拡大と新たに富裕層となった消費者による高級ブランドの購入が、多くのブランドの成功を支えてきた。過去10年以上にわたり、中国は高級品市場の重要な拠点となっている。
・パンデミック中には、一部の高級ブランドが値上げを実施した。
・若者の失業率の高さや不動産セクターの不況など、いくつかの分野で問題に直面しているため、中流階級の消費者は価格に対してますます敏感になっている。

影響

・HSBCの消費者・小売リサーチ部門グローバルヘッドであるエルワン・ランブール氏は、「中国の消費者は、商品、品質、価格について、かつてないほど賢く、情報通です。彼らは店に入って値札を見て、『いや、そんな値段は払いたくない』と言って出て行くのです」と語った（スピアーズ報）。
・Luxurynsightの創設者ジョナサン・シボニ氏は、「かつては『誰もが勝者だった』が、今は勝者と敗者の二極化が進んでいる。中間に位置するブランドは、生き残るために十分安くないか、十分大きくないという課題に直面している」と述べている（出典：フィナンシャル・タイムズ）。