
YouTubeの広告収入が拡大、ディズニー、パラマウント、NBC、ワーナー・ブラザース・ディストリビューションの合計を上回る規模へ
米調査会社モフェット・ナサンソンの分析によれば、動画共有サービスのYouTubeは、広告市場において従来のハリウッド系メディア企業を上回る規模に成長している。約21年の歴史を持つ同プラットフォームは、2025年の総売上高が約620億ドルに達したと推定されており、そのうち広告収入は404億ドル以上を占めると見られている。2025年の最終四半期だけでも広告収入は約114億ドルに達した。
この規模は、従来テレビ広告市場を支えてきた主要メディア企業を大きく上回る水準である。たとえばThe Walt Disney Company、Paramount Global、NBCUniversal、Warner Bros. Discoveryといったハリウッド大手の広告収入を合計しても、YouTubeの広告事業の規模には及ばないとされる。

メディア消費の変化と広告市場の構造転換
モフェット・ナサンソンの共同創業者であるマイケル・ネイサンソンは、今回の調査結果について、メディア消費の変化やサブスクリプションサービスの普及、広告主の戦略転換を象徴するものだと指摘している。
2025年のYouTube広告収入は前年から約40億ドル増加した。一方で、前述のハリウッド大手4社の広告収入を合計すると、前年から約30億ドルの減少が確認されたという。つまり広告費が、従来のテレビやスタジオ中心のメディアから、デジタル動画プラットフォームへ移行していることが明確になりつつある。
ネイサンソンは、テクノロジー企業とメディア企業の双方が直面している構造的な変化の中で、YouTubeは今後数年間にわたり恩恵を受ける存在になる可能性が高いと分析している。
サブスクリプションとショッピング広告の拡大
YouTubeの成長を支えているのは広告だけではない。親会社であるAlphabetは、サブスクリプション事業の拡大にも力を入れている。
YouTube PremiumやYouTube Music、さらにスポーツ配信サービスのNFL Sunday Ticket、ライブテレビ配信のYouTube TVなどを含む有料サービスが収益の重要な柱となっている。これらのサービスを合わせた有料登録者数は、近年大きく拡大しているとみられる。
同時に、広告主向けの新しい広告形式も導入されている。たとえばインタラクティブ広告や、動画を視聴しながら商品を購入できる「ショッピング可能なコンテンツ」といった仕組みである。特にコネクテッドテレビ(CTV)でYouTubeを視聴しながら商品購入につなげる広告体験は、新たな収益機会として期待されている。
YouTubeのCEOであるニール・モーハンは、同社が今後もCTV向けショッピング広告や動画広告機能、クリエイター支援などへの投資を継続すると述べている。こうした取り組みは、同社が「エンターテインメントの再発明」を目指す戦略の一環である。
Z世代の支持とクリエイター経済
若年層の支持もYouTubeの成長を支える重要な要因となっている。調査会社Harris Pollの研究によると、Z世代ユーザーの間でYouTubeの支持率は78%に達しており、他の主要ソーシャルメディアよりも高い評価を得ている。
同調査では、TikTokに対して一定の不満を抱くユーザーも存在することが示唆されている。一方、Snapchat、Facebook、Instagramといった他のSNSと比較しても、YouTubeは若い視聴者層から高い支持を維持している。
さらにYouTubeはこれまでに、クリエイターや音楽会社、メディアパートナーに対して総額1000億ドル以上を支払ってきたとされる。こうしたクリエイター経済の拡大も、同プラットフォームの競争力を支える重要な要素となっている。
広告、サブスクリプション、そしてクリエイターエコノミーという三つの収益基盤を持つYouTubeは、メディア産業の構造転換を象徴する存在として、今後も影響力を拡大していくと見られている。(出典:Media Post、画像:Unsplash、モフェット・ナサソン)
















