
広告事業が牽引するアマゾンの成長
アマゾンは2025年第4四半期決算において、部門ごとの明暗が分かれる結果となったものの、広告事業は引き続き同社の成長エンジンとして際立つ存在感を示した。年末商戦を含む同四半期の広告売上高は、前年同期比22%増の213億ドルに達し、成長率は前期からさらに加速した。
この勢いを背景に、2025年通期の広告収入は680億ドルを突破した。第4四半期の連結売上高は2134億ドルで、前年同期比14%増と市場予想を上回った一方、1株当たり利益はアナリスト予想を下回り、投資家の視線は収益性と将来投資のバランスに向けられている。
フルファネル戦略とプライム・ビデオの存在感
アマゾンの広告事業は、これまでECマーケットプレイス上のスポンサー付き商品リストを中核として成長してきた。しかし、アンディ・ジャシーCEOによれば、2025年第4四半期にはプライム・ビデオが広告セグメントに「意味のある」貢献を果たしたという。
2年前に広告付き配信を開始したプライム・ビデオは、小売メディアの枠を超え、認知から購買までを一気通貫で支援するフルファネル広告を提供する戦略の重要な構成要素となっている。このフルファネル戦略により、2025年には120億ドルを超える増分収益が生まれたと、ブライアン・オルサフスキー最高財務責任者(CFO)は決算説明会で明らかにした。
視聴者拡大とスポーツコンテンツの強み
プライム・ビデオの広告付き視聴者数は、第4四半期に3億1500万人へと拡大した。同サービスを代表するライブコンテンツである「サーズデイ・ナイト・フットボール」は、過去最高の視聴シーズンを記録している。NFLの週間中継は平均視聴者数が1500万人を超え、前年比16%増となった。
ストリーミングへの移行が進む中で、スポーツ視聴者と広告主の双方を引き付ける存在となり、同番組は3年連続で2桁成長を達成した。これは、テレビ広告からストリーミング広告への構造転換が加速していることを示す象徴的な事例といえる。
AI投資と投資家の視線
アマゾンは広告主向けの機能強化にも積極的であり、生成AIを活用した新たなツール群を拡充している。2025年9月には、初期調査から動画広告のような高度なクリエイティブ制作までを支援するAIアシスタントを投入した。
ジャシーCEOは、この「クリエイティブエージェント」によって、広告主はアマゾンの小売データを活用した対話型ガイダンスを受けながら、フルファネル広告キャンペーンの調査、発想、制作を一貫して行えるようになると説明する。従来は1週間を要していた制作プロセスが、わずか数時間に短縮されるという。
一方で、アマゾンが2026年に予定する設備投資額は約2000億ドルに達するとされ、AI関連投資の急増は同業他社と同様、投資家の懸念材料ともなっている。広告事業という確かな収益基盤を持ちながら、巨額投資と収益性の両立をいかに図るかが、今後の評価を左右する重要な論点となりそうだ。(出典:MARKETING DIVE、画像:iStock)
















