OpenAI、テキストから動画を生成する新ツール「Sora」リリース:広告主はテキスト-ビデオAIにアクセスできるようになる
OpenAIは、広告主やクリエイターがテキストプロンプトを使用して動画を生成できるAIツール「Sora」をリリースした。このツールでは、画像をアニメーション化したり、既存の動画をリミックスしたりすることも可能である。Soraは、ChatGPT Plusの「ターボ」プラン利用者向けに提供され、OpenAIのイベント「12 Days of OpenAI」の一環として正式に公開された。
ツールの特徴と背景
OpenAIは、Soraを「想像力に命を吹き込むツール」と説明している。同社は2023年初めにこの技術を予告していたが、今回YouTubeに投稿されたデモ動画でその機能が実際に紹介された。OpenAIのCEOであるサム・アルトマン氏は、「AIがテキストを理解し生成するだけでは不十分だ。私たちは、AIが動画を理解し、生成する能力を持つべきだと考えています」と述べ、Soraの重要性を強調した。
Soraは米国を含むほとんどの国で利用可能であり、動画生成に関するまったく新しい体験を提供するツールとして注目されている。ただし、初期バージョンであるため、一部のエラーが発生する可能性があると同社は認めている。
主な機能
- ストーリーボード機能
Soraでは、一連のプロンプトとタイムラインを設定して動画を生成する「ストーリーボード」機能が提供されている。この機能は、エンターテインメント業界で映画やテレビ番組のプロトタイプを作成する手段としても活用が期待されている。 - リミックス機能
ユーザーはテキストプロンプトを使用して動画の出力を変更できる。また、2つのシーンをAIでブレンドすることも可能で、独自性の高い動画制作が実現する。 - 画像から動画への変換
写真を基に動画を生成する機能も搭載されており、クリエイティブなプロジェクトでの活用が見込まれている。 - Explorationセクション
OpenAIは、Soraの利用例を共有する「Exploration」セクションも設けている。この機能により、ユーザーは他のクリエイターが作成した動画を見て、インスピレーションを得たり技術を学んだりできる。
安全性と透明性への配慮
Soraで生成された動画には、AIで作成されたことを示す透かしが表示され、C2PAのメタデータが付加される。また、動画や画像をアップロードする際には、未成年の出演や露骨な内容、暴力的なコンテンツ、著作権で保護された素材が含まれていないことを確認するためのセーフガードが設定されている。
今後の可能性
Soraは、映画製作者が映画全体を制作する機能はまだ備えていないが、プロトタイプやストーリープレビューにおいて強力なツールとして機能する可能性がある。特に広告業界やエンターテインメント分野での応用が期待されており、AIによる動画生成がクリエイティブプロセスをどのように変革するかが注目されている。
(出典: Media Post)