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UK:John Louis、今年のクリスマス広告で新たな試み

(画像:YouTubeより)ジョン・ルイスの2024年クリスマス広告は、これまでの可愛らしい動物キャラクターや幻想的な演出から一転し、2人の姉妹を主人公にした心温まるストーリーで話題を呼んでいる。今年のテーマは「ショッピングそのもの」を称える内容となっており、ロンドンのオックスフォード・ストリート店を舞台に、リチャード・アシュクロフトの楽曲が彩りを添える。

変化するクリスマス広告の方向性

長年にわたりジョン・ルイスのクリスマス広告は、ユニークなキャラクターや幻想的な物語で人々の心をつかんできた。今年の広告は、ショッピングの体験そのものに焦点を当てており、特に実店舗を主役として取り上げた初めての試みである。広告の内容は、妹へのプレゼントを選ぶために奮闘する姉が、ドレスラックをめくるうちに姉妹の思い出の世界へと迷い込むというもの。「The Gifting Hour」というタイトルで、魔法のような演出を残しつつも、クリスマスショッピングの実用的な魅力を伝えている。

クリスマス商戦と広告の重要性

クリスマスシーズンは、ジョン・ルイスを含む多くの小売業者にとって年間の利益を左右する重要な時期である。同時に、ジョン・ルイスのクリスマス広告は、消費者にとって季節の到来を告げる特別な存在でもある。しかし、ここ数年の業績不振により、その広告が売上に結びつくかどうかが注目されている。ジョン・ルイスは、昨年度の黒字転換を達成したものの、スタッフへの年間ボーナスが支給されない厳しい状況が続いている。こうした背景の中、広告の成功が売上増加に寄与するかどうかが鍵となる。Savvy MarketingのCEOであるキャサリン・シャトルワース氏は、「厳しい小売環境の中、今年のクリスマスは特に重要です。消費者の財布の紐が固い中で、広告がより大きな影響力を持つ必要があります」と語っている。

新たな広告手法の導入

今年の広告では、これまでの有名楽曲のカバーバージョンではなく、リチャード・アシュクロフト自身が歌う「Sonnet」を採用。さらに、ジョン・ルイスは広告のプロモーションの一環として、楽曲カバーコンテストを開催する計画だ。優勝者のカバーバージョンはクリスマス当日に広告で使用され、チャリティーシングルとしてリリースされる。ジョン・ルイスの顧客担当ディレクターであるシャーロット・ロック氏は、「私たちの広告は単なるプロモーションではなく、毎年多くの人々が期待する一大イベントです。今年の広告は、ジョン・ルイスの店舗そのものがクリスマスの象徴であるというメッセージを伝えています」と述べている。

消費者の心を掴むための挑戦

ジョン・ルイスは、広告を通じて消費者と深いつながりを築くことを目指している。シャトルワース氏は、「単に『素敵ね』と思われるだけでなく、実際に来店してもらうことが重要です」と語る。今年の広告が顧客にどのような影響を与えるのか、注目が集まっている。広告の公開に伴い、ジョン・ルイスはTikTokでタレント発掘も開始。優勝者には賞金3,000ポンドが贈られる予定であり、広告の新しい側面を見せる取り組みが進行中である。(出典:The Guardian, WARC, John Louis他)

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