Kantar Media Reaction 2024：メディア調査 2024年の主要トレンド

カンター・メディアが発表した2024年の主要トレンドによると、広告に対する意識やX（旧ツイッター）の信頼度低下、チャネルプランニングやメディアミックス選択に関する注目点が明らかになっている。カンターの毎年行われるメディア状況調査は、マーケターが広告を掲載する場所と消費者が広告を視聴したい場所とのギャップや、AI生成広告の価値、そしてX（旧Twitter）への信頼がなぜ低下しているのかに焦点を当てている。

Media Reactionsレポートの重要性

カンターのメディア調査は、世界27市場で約18,000人の消費者と1,000人のシニアマーケターを対象に行われ、市場の実務者の意見と、オーディエンスの反応を分析する上で非常に有益な情報を提供している。

大きな話題

レポートは、メディアにおける嗜好の違いに焦点を当てているが、特にAIを使った広告に対する態度の違いが顕著であり、マーケターと消費者の間で10％のギャップが見られる。全体としては、広告の受容性が高まり、調査対象の消費者の47％が広告を受け入れている。

1. Xからの急速な撤退

かつてツイッターと呼ばれていたXは、2022年の所有者変更以降、広告主の信頼を失いつつある。ツイッターは元々広告の巨人ではなかったものの、マーケティングには一定の役割を果たしていたが、現在は状況が変化している。

– Xの広告がブランドにとって安全だと考えるマーケターはわずか4％。
– 2025年には、26％のマーケターがXへの広告出稿を減らす予定。
– 2022年には5分の1以上のマーケターがXの広告を信頼していたが、2024年にはその割合は12％にまで減少している。

カンターのゴンカ・ブバニ氏は「マーケティング担当者はブランドの管理者であり、信頼できるプラットフォームを使用する必要があります。Xは予測不可能な環境であり、ブランドの安全性を確保するのが難しい」と述べている。

 2. メディアブランドの嗜好

カンターの調査では、消費者と実務者の間でメディアブランドに対する嗜好の違いが見られる。消費者にとってAmazonとTikTokが好まれる一方で、マーケターはこれらをあまり好んでいない。新たに登場したNetflixは、両者のトップ5に入っている。

**消費者が好むデジタルメディアブランド**
– アマゾン (-)
– ティックトック (+2)
– インスタグラム (+1)
– グーグル (-2)
– ネットフリックス（新規）

**マーケターが好むデジタルメディアブランド**
– ユーチューブ (-)
– インスタグラム (+1)
– グーグル (-1)
– ネットフリックス（新規）
– スポティファイ (-)

3. チャンネル選好の違い

カンターの調査では、消費者とマーケターのチャネル選好にも大きなギャップが見られる。

消費者が好むチャネル
– 店頭広告 (+3)
– シネマ広告 (-)
– スポンサーイベント (-2)
– 新聞広告 (+3)
– 屋外広告 (-2)

マーケターが好むチャネル
– 家庭外デジタル広告 (+2)
– スポンサードイベント (-)
– オンラインビデオ広告 (-2)
– アウト・オブ・ホーム広告 (+7)
– eコマース広告 (+1)

(WARC, Kanter Website）