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アクセンチュア・ソング、Superdigitalを買収~ソーシャルファースト戦略とAI活用がマーケティングを変革

アクセンチュアのマーケティング部門であるアクセンチュア・ソングは、ソーシャルメディアに特化したエージェンシー「Superdigital」を買収した。取引額は非公開である。2013年に設立されたSuperdigitalは、ソーシャル戦略、コミュニティ構築、短尺動画を含むコンテンツ制作に強みを持ち、フロリダを拠点に40人以上のスタッフを抱える。これまでにWelch’s、Microsoft、Nerfなどを顧客に持ち、実績を重ねてきた。

今回の買収は、CMOにとってソーシャルメディアやインフルエンサーが重要度を増すなかでの動きであり、加えて生成AIがマーケティング活動全体に与える影響にも対応したものだ。ユニリーバのような大手広告主も、現代の消費者に歩調を合わせるため、従来型の広告支出からソーシャルやインフルエンサー分野への投資にシフトしつつある。

ソーシャルファーストの潮流

ソーシャルメディア自体は新しい手法ではないが、TikTokをはじめとするプラットフォームを基盤にしたソーシャルファースト戦略への需要は加速している。アクセンチュア・ソングはSuperdigitalの買収を通じて、コミュニティ形成やネイティブコンテンツ制作における自社の能力を強化し、業界をリードし続ける意向を示した。

生成AIの普及により、マーケティング現場では短期間に大量のコンテンツを制作する圧力が高まっている。かつてマスリーチの中心だったテレビ広告は衰退傾向にあり、特にZ世代のような若年層はほとんど関心を示していない。

アクセンチュア・ソングの米州マーケティング責任者ショーン・ラッキーは「ソーシャルは今や多くのオーディエンスにとって最初に触れる場である。Superdigitalの強みは、データ、クリエイティビティ、テクノロジーが交差する領域で我々の能力を高め、クライアントのマーケティング改革に貢献する」と述べた。

他社の動きとM&A競争

Superdigitalは最近、Welch’sのためにボデガ風のポップアップを仕掛けたり、MicrosoftのCopilot+ AIを活用したPCの利点を広めるインフルエンサーマーケティングを支援するなど、活発なプロジェクトを展開してきた。

業界全体でも、M&Aによるソーシャル領域強化が進んでいる。ピュブリシスグループは昨年、インフルエンサーマーケティング大手のInfluentialを5億ドルで買収し、さらに2025年5月にはソーシャルコマースやタレント管理に強みを持つCaptiv8を傘下に収めた。

アクセンチュアは2010年代後半、クリエイティブエージェンシーDroga5を約4億7500万ドルで買収し注目を集めた。その後もCRM特化型のUnlimited、デジタルプロダクト開発のWork & Co、ブラジルのSohoなどを取り込み、ソングの基盤を拡大してきた。

一方で、Droga5創業者のデイビッド・ドローガは、今年初めにソングのCEO職を退任する計画を明らかにした。後任にはアクセンチュア出身のンディディ・オテが9月1日付で就任予定であり、新体制の下でソーシャル・AI領域におけるさらなる強化が期待されている。(出典:Accenture Song, Marketing Dive他)

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