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ジャガー・ランドローバー、ブランド刷新の反響受け広告代理店体制を見直し 新広告戦略の導入と代理店再編へ

ジャガー・ランドローバー(JLR)は、現行のグローバル・クリエイティブ・アカウントについて、広告代理店体制の見直しに着手した。現在このアカウントは、インハウスエージェンシーのSpark44およびアクセンチュア・ソングによって2026年半ばまで担当されている。

JLR側は、代理店契約見直しの理由について公式なコメントを避けているが、市場ではリブランディングに対する激しい世論の反発が影響しているとの見方が広がっている。

物議を醸したブランド再構築

同社は近年、電動化戦略を加速させる中で、象徴的であった「グロウラー(猫のエンブレム)」を廃止し、幾何学的なJとLのロゴに刷新した。また、EVの新モデル発表に際しては、車両を見せず、鮮やかな衣装のモデルを起用した抽象的な広告を展開。これが一部で「ブランドの本質を見失っている」との批判を呼び起こした。


ジャガーの「コピー・ナッシング」リブランディング広告のスチール

新コンセプトのティーザー画像によると、リアウィンドスクリーンがない

著名人であるナイジェル・ファラージ氏やイーロン・マスク氏などもこの動きを批判し、「ジャガーマンの伝統が失われた」との声が上がっている。

販売実績の後退と懸念の声

ブランド刷新の直後、ジャガーの販売台数は急落した。2024年の販売実績はわずか33,320台にとどまり、2022年の61,661台、2019年の161,601台からは著しく減少している。ブランド戦略の方向性と市場パフォーマンスとの乖離が浮き彫りになった格好だ。

この事例は、ナイキやコカ・コーラといった他の大手ブランドが展開した論争的なリブランディングの流れに連なる。特に2023年、バドライトがトランスジェンダー・インフルエンサーと連携したプロモーションによって炎上した件との類似性も指摘されている。

JLRの公式見解と今後の展望

ジャガー・ランドローバーは、「広告代理店見直しの決定は世論の反応とは無関係である」との立場を示している。広報担当者は「JLRは一切のサプライヤー契約についてコメントしない」と付け加えた。

また、マネージングディレクターのロードン・グローバー氏は「この反響の大きさは、ジャガーというブランドがいかに多くの人々に関心を持たれているかを物語っている。私たちは意図的に議論を呼ぶブランド刷新を行った」と強調した。アクセンチュア・ソングは引き続き契約中であり、「4年以上にわたり、JLRの『ハウス・オブ・ブランド』戦略に貢献してきた成功したパートナーシップである」とJLR側は述べている。(出典:Telegraph, dailymail他)

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