
TikTok、グローバルキャンペーンで音楽文化への影響を強調
TikTokは「See Where Music Takes You」と題した初の大規模な国際キャンペーンを開始し、音楽発見の場としての役割を強調した。同社が示したデータによれば、2024年にビルボード・グローバル200にランクインした楽曲のうち84%が、最初にTikTokで人気を獲得していたという。
キャンペーンの内容
中心となる30秒のスポット「Follow the Music」では、TikTok発で注目を集めたラヴィン・レナエの楽曲「Love Me Not」を起用。リミックスやマッシュアップ、音楽トレンドを生み出す場としてのTikTokの役割を描き、InstagramやFacebook、YouTubeでも配信される。映像監督はナビル・エルダーキンで、デュア・リパやケンドリック・ラマーを手掛けた実績を持つ。制作はAKQA Casaが担当した。
今回の施策は、TikTok内で発見した楽曲をSpotifyやApple Musicなどに保存できる「Add to Music App」機能とも関連付けられている。この機能はリリースから1年で10億曲以上の保存に利用され、音楽リスナーを文化的な参加者へと変える取り組みを後押ししている。また、TikTokとLuminateによる調査では、米国ユーザーは一般的なリスナーよりも毎月46%多く音楽に支出していると報告された。
音楽マーケティングへの広がり
TikTokはアーティスト向け機能の拡充も進めている。2024年には「TikTok for Artists」を導入し、アーティストの活動支援を強化。さらに1月には「Behind the Breakthrough」キャンペーンを展開し、無名のアーティストがメインストリームに進出する力を持つことを示した。
ブランド活用の事例も増加している。American Eagleは2022年にSoundOnを利用したカスタムソングでのキャンペーンを実施。NYX Professional Makeupは女性アーティスト5名と制作した「NYXTape」を発表し、SoundOnにアーティストプロフィールを掲載した最初のブランドとなった。
この取り組みは、米国でTikTokの存続が依然議論される中で発表された。ただし、禁止措置の実施は繰り返し延期されており、当面のリスクは小さいとみられている。(出典:Digital Marketing Dive)