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CMOは何のためにいるのか?

フォレスターの最新調査によれば、CMO(最高マーケティング責任者)の平均在職期間は短くなり、その肩書き自体も企業内で使われる頻度が減少している。2025年、フォーチュン500企業におけるCMOの存在感は縮小しつつあり、その背景には不安定な経済環境と、景気後退局面で真っ先に削られやすいマーケティング予算の構造的な脆弱性がある。

現代CMOのミッションの複雑化

フォレスター副社長で主席アナリストのイアン・ブルース氏は、現代のCMOは「ブランドと需要、製品とパイプライン、デジタルとリアル」という多岐にわたる領域を横断する“動く標的”のような使命を負っていると指摘する。多くの企業ではこれらの優先課題が複数の経営幹部に分散され、役割の断片化が進んでいる。

・CMOの平均在職期間は過去12か月で4.1年から3.9年へ短縮。

・ヘルスケア分野では平均4.3年と比較的長い一方、エネルギー・鉱業分野では3.2年にとどまる。

・フォーチュン500企業でCEO直下またはCスイートの一員としてCMO職を置く割合は58%で、2024年の63%から低下。

・「最高マーケティング責任者(CMO)」という肩書きを持つマーケティング責任者は49%で、前年の55%から減少。

なぜCMOは重要なのか

CMO職の在任期間や役職呼称の変化は、この20年間でマーケティング機能がデジタルの普及や新プラットフォームの登場に合わせて進化してきた歴史の一端である。10年前のCMOは、純粋なマーケティング領域を超えて戦略や事業成果への関与を求められ、その負荷を「容赦ない」と表現していた。

しかし、現在は短期的な収益目標と断片化された責任が優先され、マーケティング全体を統合的に見渡す視点が薄れつつある。将来的に、役職名の有無にかかわらず、戦略的なマーケティングリーダーの必要性が再び強まる可能性が高い。(出典:Forrester, WARC)

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