
YouTube、ビデオポッドキャストの影響力を証明—月間アクティブユーザー数10億人を突破
YouTubeは、ポッドキャスター向けの広告登録を容易にするなど、ポッドキャスト分野への投資を拡大してきた。その結果、全世界の月間アクティブポッドキャストユーザーが10億人に達したことが明らかになった。
YouTubeの公式ブログでは、「動画付きポッドキャストは一過性のトレンドではなく、YouTubeという視聴者がいる場所で、求められているコンテンツを提供している」と述べており、ビデオポッドキャストが今後も成長を続けることを示唆している。
ポッドキャスト視聴者の重要性
ポッドキャストの人気は、新しい若年層の視聴者の間で拡大し続けている。2020年には16~24歳の63.9%がポッドキャストを聴いていたが、この割合は2024年には84.8%に上昇した。この成長により、広告主は視聴者がより関心を持ちやすいタイミングでリーチできる新たな機会を得ている。
また、電通とLumen Researchの共同調査によると、ポッドキャスト広告は他のプラットフォームと比べて「高い注目度」を持ち、広告費1ドルに対するリターン(ROAS)は平均2.42ドルに達するとされている。YouTubeのポッドキャスト成功の要因には、
- 発見のしやすさ(プラットフォーム内で新しいポッドキャストを簡単に見つけられる)
- メディアのビジュアル化の進行(音声のみでなく、映像付きのコンテンツが求められている)
といったトレンドの影響がある。
YouTubeのポッドキャスト市場における優位性
YouTubeは、ポッドキャスト市場において着実に地位を確立している。
- 米国で最も人気のあるポッドキャスト・プラットフォームとなり、毎週のポッドキャストユーザーの31%を占めている(Variety調査)。
- Spotify(27%)、Apple Podcasts(15%)を上回るシェアを持つ。
また、ポッドキャスト市場での競争において、他プラットフォームとの対比が際立つ。
- Spotifyは「ポッドキャスト・ブーム」の間に10億ドル以上を投資し、人気番組の買収やライセンス契約を進めたものの、過度な支出が問題視され、2022年には自社ポッドキャスト・スタジオを閉鎖し、人員削減を実施した(Bloomberg報道)。
- 一方で、YouTubeはポッドキャスター向けに最大30万ドルの支援を提供し、番組のビデオ版制作を推進したとされる。
また、2024年にはYouTubeポッドキャストの中でも特に注目を集めたエピソードとして、ジョー・ローガンによるドナルド・トランプへのインタビュー(再生回数5,600万回以上)が挙げられる。YouTubeは、ポッドキャスト市場において他のプラットフォームを凌駕し、圧倒的な視聴者数を確保しつつある。今後も、動画コンテンツと音声メディアの融合を推進することで、さらなる成長が期待される。(出典:Variety、Bloomberg、YouTube、WARC)