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アマゾンの売上が18%急増、ついにウォルマートを超える

アマゾンの2023年第4四半期の財務報告は市場予想を上回り、売上高は前年同期比10%増の1,878億ドルに達した。特に広告事業は成長を続け、18%増の172億9,000万ドルを記録。純利益は前年同期の106億ドルから89%増加し、200億ドルに達した。

慎重な見通しと市場の反応

アマゾンにとって良好な決算結果となったが、同社の今後数ヶ月の売上予測は1,510億ドル~1,555億ドル(成長率5%~9%)とやや慎重なものとなっている。為替レートの影響が要因の一つとされるが、この見通しは業界の予測を下回る水準である。

ウェドブッシュのアナリスト、スコット・デビット氏は、「アマゾンのガイダンスには保守的な要素がある可能性が高い」と指摘し、過去8四半期にわたり営業利益予測を上回っていることを強調した。

ウォルマートとの差が拡大

ウォルマートは今月末に四半期決算を発表予定だが、アナリストの予測では売上高が1,800億ドルとなり、アマゾンの1,878億ドルを下回る見込みである。これにより、アマゾンは売上規模においてウォルマートを超えた形となった。

バーンスタインのアナリスト、マーク・シュムリック氏は「アマゾンは過去最高の小売マージンを記録し、営業利益も過去最大となった」と指摘する。

アマゾンの社長兼CEOであるアンディ・ジャシー氏は、好調な決算の要因として、ブラックフライデー・ウィークやサイバーマンデーの成功を挙げた。

「ホリデーショッピングシーズンは、アマゾンにとって過去最高の成功を収めた」とコメント。プライム・ビデオではアマゾンMGMスタジオの新作映画『レッド・ワン』がデビュー作として過去最多の視聴者(最初の4日間で5,000万人)を獲得し、さらに「Thursday Night Football」の視聴者数も前年比11%増となった。

広告とストリーミングの成長

投資家向けの決算説明会でジャシー氏は、広告収入の大半を占めるスポンサープロダクトが好調であり、さらなる成長の余地があると強調。また、ストリーミングビデオも新たな収益源となっており、プライム・ビデオの広告モデルも初年度の成果に満足していると述べた。

AWSと実店舗事業も好調

アマゾンのクラウドコンピューティング事業AWS(Amazon Web Services)の売上は19%増の287億9,000万ドルとなり、引き続き堅調に成長している。一方、実店舗事業の売上は8%増の55億8,000万ドルを記録。

アマゾンは食料品戦略の見直しを進めており、新たな経営陣の起用やアマゾンフレッシュの拡大計画の調整を行っている。

中国貿易のリスク

一方で、多くの専門家は、アマゾンや他のeコマース企業が、中国との貿易に影響を与える新たな関税措置の影響を受ける可能性について懸念している。

モルガン・スタンレーの推定によると、アマゾンのファーストパーティ製品の約25%が中国からの輸入品であり、他の企業と比較して関税リスクに対して脆弱な立場にあると指摘している。

ポイント:

  • アマゾンの売上高は前年同期比10%増の1,878億ドル、純利益は89%増の200億ドルに急増。
  • 広告収入は18%増、AWSの売上も19%増と成長を維持。
  • ウォルマートの売上予測(1,800億ドル)を上回り、小売最大手の座を獲得。
  • ホリデーシーズンの成功により、プライム・ビデオとスポーツ配信の成長も加速。
  • 中国貿易に関する新たな関税リスクが今後の課題となる可能性。

アマゾンは、広告やAWSを中心とした成長を続けながら、小売業界のトップを維持するための戦略を強化している。一方で、貿易問題や経済環境の変化が今後の成長にどのような影響を与えるかが注目される。(出典:MeidPost, AdAgeほか)

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