
ネットフリックス、広告事業が急拡大
2025年に30億ドル規模へ、2030年には80億ドル到達予測
動画配信大手のNetflixにおける広告事業が急速に拡大している。WARC Mediaの予測によれば、同社の広告収入は2025年の15億ドルから倍増し、今年は世界全体で30億ドル規模に達する見込みである。さらに2030年には80億ドルに達し、コネクテッドTV(CTV)広告市場全体の約10%を占める可能性があるという。
現在、NetflixのグローバルCTV広告市場におけるシェアは約3.5%とされるが、2027年までに9.2%へと拡大するとの試算も示されている。WARCは、同社が市場全体の成長を待つのではなく、既存プレイヤーからのシェア奪取を主眼に置いている点を強調する。
WARC Mediaのメディアインサイトアナリストであるセレステ・ファンは、ライブスポーツや文化的イベントの配信強化、そしてZ世代によるブランド統合コンテンツへの高い関心が広告収入増を後押ししていると指摘する。ブランド側と視聴者側の双方から「信頼できるプラットフォーム」と認識されていることも、広告投資拡大の背景にある。

広告主の投資動向と主要カテゴリー
モバイルデータ分析企業のSensor Towerによる推計では、第2四半期の米国におけるNetflix広告出稿上位カテゴリーは、ショッピング(8,200万ドル)、消費財(7,800万ドル)、金融サービス(6,600万ドル)、旅行・観光(5,400万ドル)、通信(4,400万ドル)の順である。消費行動に直結する業種が積極的に投資している点が特徴である。
また、WARCの調査では、Netflixに出稿するブランドは同プラットフォームを「信頼性の高い」グローバルメディアと評価している。信頼度ランキングでは、YouTube、Instagram、Googleに次ぐ第4位に位置づけられており、高品質な視聴環境を提供する媒体として認識されている。
Z世代、動画ポッドキャスト、ゲーム連携が成長を後押し
Z世代の利用拡大も成長要因の一つである。WARCは、Netflixが拡充を進める動画ポッドキャストコンテンツを「現代のトークショー」と位置づけ、その展開が若年層の視聴時間増加と広告価値向上に寄与していると分析する。これはYouTube上の類似コンテンツとの競争を視野に入れた動きでもある。
さらに同社は、映画やテレビシリーズの枠を超え、音楽パートナーシップ、ライブスポーツ配信、ゲームとの連携などへと事業領域を拡大している。モバイルとテレビ双方に対応したクラウドゲーミングへの取り組みも、コンテンツ消費の多層化を後押ししている。
加えて、ワーナー・ブラザース・ディスカバリーを将来的に買収する可能性が取り沙汰されており、実現すればコンテンツ資産の大幅拡充につながるとWARCは指摘する。
Netflixの広告事業は、単なる新収益源にとどまらず、コンテンツ戦略・世代戦略・テクノロジー戦略を横断する成長ドライバーへと進化している。動画配信市場が成熟期に入りつつある中、広告モデルの拡張こそが同社の次なる拡大フェーズを支える柱となりつつあるのである。(出典:WARC、画像:WARC、iStock)
















